ライフロボティクス 「人との親和性」売りに顧客を開拓

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インタビューに応じるライフロボティクスの尹祐根(ユン・ウグン)CEO=東京都江東区

 □ライフロボティクスCEO・尹祐根さん(45)

 --起業の経緯は

 「2005年ごろから日本が人口減少社会、そして産業界では人手不足になるとみていた。当時は「人余り」の時代で見向きもされなかったが、13年に日本の人口が減少に転じ、労働力をロボットで補う必要性が出てきた。生産現場で人とロボットが一緒に働く時代が来ると思い、会社を立ち上げた」

 --協働ロボット「CORO(コロ)」を開発した

 労働集約型の産業で活躍できるロボットでないと労働力不足の解決策にはならない。そこで狭い場所でも安全に動けることにこだわったロボットとして開発した。

 --さまざまな産業用ロボットがあるが、どう差別化を図る

 「ファナックや安川電機などの大手メーカーが産業用ロボットを開発しているが、動作が非常に大きく、労災事故を防ぐため、おりのような柵のなかに置かれている。それに対し、COROは世界で唯一、肘がないため、動作が小さく、既設の生産ラインのなかにも簡単に組み込めるのが大きなメリットだ。端的に言えば、従来のものが生産性向上のみを追求したものであるのに対し、COROは人との親和性、安全性も追求した」

 --16年1月の発売から1年が過ぎた

 「外食大手のロイヤルや吉野家、トヨタ自動車やオムロンといった大手メーカーに納入した。『こんなロボットが欲しかった』という声も多く、手応えを感じている」

 --一時、納入まで4カ月ほどかかった

 「多くの協力会社からサポートをいただき、やっと量産態勢が整った。いまは即納できる状況だ。また、大阪市内にも実演展示できるスペースを設け、西日本の新規顧客の開拓に力を入れていきたい」

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【プロフィル】尹祐根

 ゆん・うぐん 博士(工学)。九州大学工学部卒。2001年産業技術総合研究所。07年にライフロボティクスを創業し、最高技術責任者(CTO)。14年同社最高経営責任者(CEO)に就く。兵庫県出身。