JPXが国営石油企業アラムコのIPO誘致に注力、時価総額約230兆円も サウジへ働きかけ
米国で開かれたエネルギーの国際会議に出席したサウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相で国営石油会社のサウジアラムコ会長のファリハ氏=7日、米ヒューストン(AP)
日本取引所グループ(JPX)が、サウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコの新規株式公開(IPO)で、傘下の東京証券取引所への上場誘致に力を入れている。同社の時価総額は2兆ドル(約230兆円)超との観測もあるなど、世界最大規模のIPOになると予想される。欧米やアジアの取引所も候補に挙がる中、東証は自らのメリットを訴えて投資家を呼び込む起爆剤にしたい考えだ。
東証はサウジアラムコとの間でIPOに向けた共同研究グループ設置を検討する予定。また、JPXはサウジの証券取引所と相互関係強化への覚書も結ぶ。
現在、世界最大の時価総額を持つ企業は米アップル(10日終値で約84兆円)だが、サウジアラムコのIPOが実現すればこれを大きく上回る可能性が高い。IPOは2018年を計画しており、株式売却の規模は全体の5%未満とみられ、これが複数の取引所で売買されることになりそうだ。
上場先は今年半ばには決まるとみられ、本国サウジのほかにニューヨークやロンドン、カナダ・トロント、シンガポール、香港の取引所が取り沙汰される。
東証も後れを取るまいと昨年12月、JPXの清田瞭(あきら)最高経営責任者(CEO)が「会えるか会えないか分からない」という不確実な状況でサウジに渡り、ムハンマド副皇太子らと面会。清田CEOは「東証は取引高や上場時価総額で世界3位。サウジアラムコのような巨大企業は、一定以上のマーケット規模のあるところに上場すべきだ」と東証上場の利点を力説した。
取引所は国境を越えた合従連衡が進むなど、競争が激化している。注目度の高いサウジアラムコの上場誘致に成功すれば東証の存在感は大きく高まるが、手ごわいライバルが多いだけに成否は予断を許さない。
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