三菱重、米電力会社に140億円支払い 原発廃炉めぐり国際商議所命令

 

 三菱重工業は14日、米カリフォルニア州のサンオノフレ原発廃炉をめぐり、部品の納入先である米電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンに約1億2500万ドル(約140億円)を支払うよう国際商業会議所(本部パリ、ICC)から命じられたと発表した。

 廃炉の原因となった蒸気発生器を製造した三菱重工とエジソンは損失負担額をめぐり対立。エジソンがICCに仲裁を申し立てていた。エジソンの請求額は66億6700万ドルで、三菱重工は主張が認められたと受け止めている。ICCは裁定でエジソンが三菱重工に対し、仲裁費用として5800万ドルを支払うよう命じた。

 サンオノフレ原発は、三菱重工製の蒸気発生器の配管から水漏れしたのが原因で2012年1月末に緊急停止。米原子力規制委員会(NRC)から再稼働を認められる見通しが立たず、エジソンは13年6月に廃炉を決めた。

 エジソンは13年10月、三菱重工が全損害を賠償しないのは不服として仲裁を申し立て、その後、最終的な請求額は66億6700万ドルに確定した。一方、三菱重工は契約上、責任の上限は1億3700万ドルにとどまると主張して当初から争う姿勢を示していた。三菱重工は「われわれの主張が認められてありがたい。現在、裁定内容を精査しているが、仲裁上の守秘義務があるため詳細なコメントは差し控える」としている。エジソンは、カリフォルニア州中央部、沿岸部などの約1500万人に電力を供給している。