生保協、透明性向上で株式価値向上期待 企業と機関投資家に提言
生命保険協会は21日、企業の株式価値向上に向けた提言をまとめたと発表した。企業に取締役会の実効性向上に向けた取り組みを促すほか、機関投資家には、中長期的な視点で企業と対話することを求める。金融庁も機関投資家の行動指針の見直しを進めている。企業経営と投資の双方の透明性向上による持続的な経済成長が期待される。
昨年10~11月に実施したアンケートをもとに、企業と投資家がそれぞれ感じているギャップを分析した。上場企業572社、機関投資家93社が回答した。
企業には、社外取締役の拡充や取締役全員の経験や専門分野にバランスを持たせることに加え、資本効率の向上などを求める。
投資家には、短期的な視点に捕らわれることなく、企業と対話を進めることを求める。また、企業と投資家の双方に対し、対話に関わる人材の拡充を提言する。
金融庁が22日の有識者検討会で示す機関投資家の行動指針の改定案は、個別の議決権行使結果の開示を強く迫る内容となる。個別開示をしない場合には、その理由について積極公開を求めるほか、必要に応じて議案への賛否の理由を対外的に説明することを求める。
また、機関投資家に対して、運用の透明性を確保するために第三者委員会や独立性の高い取締役会の設置を求める。
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■生保協がまとめた株式価値向上に向けた要望
≪企業向け≫
・取締役会運営に関する取り組みの検証と実効性の向上
・社外取締役の拡充
・事業構成の見直しと資本効率の向上
・経営陣による対話内容の共有や情報発信
≪投資家向け≫
・中長期的視点での対話推進
≪両方≫
・対話要員の拡充
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