旅行大手がクルーズ拡充 予約サイト対抗、家族・熟年層取り込み
クルーズ船2隻の同時チャーター運航を発表する阪急交通社の松田誠司社長(右から2人目)ら=10日、東京都港区
旅行大手各社がクルーズ船のツアー商品を増やしている。阪急交通社は10日、欧米の大手クルーズ会社と提携し、来年4~5月の大型連休に2船同時のチャーター運航を初めて行うと発表した。台頭する航空便やホテルの予約サイトに対する旅行会社の強みを発揮し、家族客や旅慣れた熟年層を取り込むのが各社の狙いだ。
阪急交通社のツアーは、青森の弘前さくらまつりや博多どんたくを見物しながら韓国・釜山にも寄港するクルーズと、高知や那覇、石垣、台湾を巡るクルーズ。計7200人を募る。全国から集客するため、交通の便が良い横浜港を発着する。
いずれも8泊9日、2人で約20万円から。大人1人につき13歳未満の子供1人が無料となるため、4人家族なら1人当たり約5万円とリーズナブルだ。
JTBと商船三井客船は、九州7県を「にっぽん丸」で巡るツアーを今年10月から実施。日本旅行は定員約500人の小型船に乗る富裕層向け商品を増やし、ギリシャ・コリントス運河を通るなど特色を打ち出す。
国土交通省によると、昨年はクルーズ船による訪日客が過去最多の199万人に上った一方で、日本のクルーズ人口は2012年以降、毎年20万人強と伸び悩んでいる。
逆にいえば「潜在需要が大きい市場」(MSCクルーズ日本法人のオリビエロ・モレリ社長)で、今年から英豪華客船「クイーン・エリザベス」が日本発着のクルーズを行うなど海外勢の進出が相次いでいる。
阪急交通社は、昨年度に約1万9000人だったクルーズ客数を来年度は3万人に伸ばす計画。旅行予約サイトに対抗して「旅の上質さを打ち出していく」(松田誠司社長)構えだ。
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