「間伐材マーク」の認知度高め温暖化防止
eco最前線を聞く□全国森林組合連合会 系統事業部販売課長・山田圭介氏
森林組合の全国組織、全国森林組合連合会(東京都千代田区)は、森林整備に欠かせない「間伐」の普及・啓発とそこで生じる間伐材の利用拡大に向けて「間伐材マーク」の認定制度を設け、その普及活動を進めている。日本は国土の66%が森林で覆われ、その41%を占める人工林の整備は国土保全上、さらに水源涵養(かんよう)機能、地球温暖化防止、地域産業発展の観点から重要性が高い。しかし、日当たりを遮る樹木を間引きし森林を健全な成長に導く間伐作業は、林業の衰退から十分に進んでいない。間伐材マーク事務局長を務める系統事業部の山田圭介販売課長は、マークの認知度を高め、「日本を豊かにする取り組みにしたい」と語る。
◆製品使用で環境に貢献
--マーク創設までの経緯は
「背景には林業の衰退がある。戦後は人工林が拡大する一方、1964年に木材輸入が全面自由化されると安価な輸入材が急激に増え、国産材価格が80年をピークに下がり続けた。その結果、林業経営は苦境に陥り、戦後の造林拡大で適齢期に入った人工林の間伐作業が積み残るケースが急増した。この状態を放置していては『育て、切り、使い、植える』という循環が崩れてしまい、間伐の促進と間伐材の有効利用が急務と考えた。そこで間伐の重要性を広く訴える認証制度を2001年に創設し、活動を開始した」
--制度導入の狙いは
「製品などへのマークの表示を通じ、広く間伐の重要性を知ってもらい、間伐材の利用拡大につなげることを狙った。特に一般消費者には、マークを表示した間伐材使用製品を選ぶことが結果的に、環境を良くすると理解してもらいたかった。従来は間伐が発展途上国の原生林皆伐のイメージと重なり、日本の森林を伐採してはいけないとする見方もあった。ただ、間伐の言葉も次第に浸透し、いまは間伐が地球温暖化防止に寄与するとの理解が深まってきている」
--マークの使用用途は
「使用方法としては2通りある。一つは、企業などが間伐と間伐材利用の普及・啓発を目的に作るパンフレットをはじめ、名刺などの印刷物やホームページなどに使用できる。この場合は原則無料としている。もう一つは、間伐材を使用した製品が対象で、1区分につき年間5万4000円(税込み)の使用料が必要になる。マーク使用製品として認定されるには間伐材を取り扱う市場や工場などが明確に証明されなければならず、有識者で構成する『間伐材マーク認定委員会』による審査を経る必要がある」
◆件数は150社・540品目
--認定製品の現状は
「認定件数は今年3月末時点で約150社・約540品目に達している。製品区分としては資材から生活用品、容器、文具など6つのカテゴリーがある。消費者に身近な製品としては、コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンがドリップコーヒー「セブンカフェ」で用いるホットカップなどのほか、紙製飲料缶「カートカン」も認定製品となっている。一方、普及・啓発を目的に無料でマークの使用が認められる事例は年間100件程度ある」
--現在、重点的に取り組んでいるのは
「とにかく、間伐材マークに対する消費者の認知度をより高めたい。マークが添付された間伐材利用製品が購入され、認知度が高まることは、温暖化防止に貢献することに加え、ひいては国産材需要の拡大につながる。そのためには、スギの木と豊かな森林をイメージしたマークのキャラクターについて愛称を募集する構想もあり、今後検討していきたい」(鈴木伸男)
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【プロフィル】山田圭介
やまだ・けいすけ 宇都宮大農学部森林科学科卒。2004年全国森林組合連合会入会。14年4月から現職。東京都出身。37歳。
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