「リハビリロボ」需要拡大 まひ改善、普及に保険適用課題
体のまひを改善するロボットの開発で企業がしのぎを削っている。高齢化や救命率向上を背景に脳卒中などでまひが残る患者は増加するとみられ、ロボットでリハビリの質と量を確保する需要が高まっている。
帝人ファーマ(東京)は昨年秋、手や腕向けのリハビリロボット「ReoGo-J(レオゴー・ジェイ)」を実用化した。先端医療で知られる関西リハビリテーション病院(大阪府豊中市)などで導入されている。
右半身に重いまひが残る男性(33)が座った状態で、装置に固定した右腕を目の前のモニターが目標点として示す方向にゆっくりと動かす。昨年5月に自転車の転倒事故で脳挫傷を負い、昨秋から毎日20~30分訓練を重ねた。「少し腕が動くようになった」と男性は笑みを見せる。
ロボットによるリハビリは作業療法士や理学療法士の物理的な支えが不要で、多くの訓練量をこなせる。普及には保険適用が望まれるが、効果の立証方法が複雑でハードルは高い。坂本知三郎同病院長は「それでも今後は人間とロボットが共存を図っていく時代。技術革新で療法士の働き方も変わる」と話す。
帝人ファーマの鍋島昭久社長は「市場自体がまだできていない状態。数年後の保険適用を目指したい」と意気込む。
トヨタ自動車は今年9月から歩行支援ロボットのレンタルを医療機関向けに始める。2007年から藤田保健衛生大(愛知県豊明市)と共同開発し、実証実験を重ねてきた。ベルトで体幹を安定させるなど重度の患者でも使用できるのが特長だ。レンタルの価格は1台当たり月額37万8000円で初期費用として108万円が別途かかる。
パナソニックは慶応大と共同で、まひした手の指の神経回路を回復させるロボットの治験を実施中だ。頭皮につけたセンサーが手を動かそうとしたときの脳波を読み取り、機械が患者の指を伸ばす。同時に電気の刺激も加えるという。同社の担当者は「療法士の技術を強力にサポートできる」と期待する。3年後の実用化を目指している。
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