中小資金調達に新たな手法 株式投資型クラウドファンディング、わずか3時間半で上限達成
非上場株式を発行して個人投資家に出資を募る株式投資型クラウドファンディング(CF)が好スタートを切った。4月下旬に募集があった第1号案件では、開始からわずか3時間半で上限応募額に達した。インターネットを通じて、多くの人から少額ずつ集める手法が浸透すれば、金融機関の融資が中心だった中小・ベンチャー企業の資金調達に新たな道が開かれる。
第1号案件では請求書データ共有サービスを提供するBank Invoice(バンクインボイス、東京都中央区)が1株40円、上限応募額1500万円で出資を募った。8日は、応募した89人のうち売買契約が成立した87人からの入金が始まり、総額1460万円を調達する。1人当たりの投資額は17万円弱だった。
バンクインボイスと投資家をつなげたのが、株式投資型CFの運営業者として昨秋に日本で初めて登録された日本クラウドキャピタル(同品川区、JCC)。自社で開発した株式投資型プラットホーム「ファンディーノ」を活用した。
バンクインボイスは、目標額500万円は紙やPDFで送付していた請求書をクラウド上で相手先企業と共有するシステムの改善に充当すると説明。上限応募額の達成時には、海外特許出願手数料に800万円、セキュリティー対策費に200万円を使うとしていた。
4月24日にあった株式投資型CFの募集では開始1時間40分で目標額を突破、3時間30分後には上限額に達した。JCCの大浦学社長は「想定外のスピードだった。個人投資家は募集開始を待っていた」と指摘した。
一方、バンクインボイスの手島太郎社長は「出資者は(将来の)IPO(新規株式公開)などによるリターンを求めるだけでなく、ビジネスを応援してくれる」と言い切った。
好評の要因は、投資家がITを活用した先進的な金融サービス「フィンテック」に興味を持っていたほか、バンクインボイスが提供するサービスがビジネスに携わる投資家の課題解決につながるからだ。応募した投資家は「途上国に請求書を送っても届かず、やり取りに時間もコストもかかる。電子メールなら届くので、こうした仕組みがほしかった」と歓迎した。
1号案件で手応えを感じたJCCの大浦氏は「2カ月に1件程度のペースで募集をかけていく」と強調、株式投資型CFの知名度を高めていく考えだ。
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