沖縄セルラー電話 新規事業の水耕栽培機器 地元に貢献

トップは語る

 □沖縄セルラー電話社長・湯浅英雄さん(61)

 --昨年6月に社長に就任した。沖縄県内の携帯電話シェアなどの事業環境は

 「コアの携帯電話事業はシェアが半分で順調だ。だが、格安スマートフォン事業者などとの戦いの中で成長し続けるのは難しいので新規事業を募集したところ、水耕栽培機器などで地元の役に立てるのではと考えた」

 --3月20日に、通信会社では初めての水耕栽培機器「やさい物語」を発売した

 「当社にはKDDIが51%出資しているが、NTTドコモやソフトバンクが東京の出先なのとは違い、地元の企業だ。台風で露地物野菜が作れない気候なので、地元でお役に立てるように、通信と同じくいつでも安定して新鮮な野菜を提供できる機器を開発した」

 --県内以外への販路は

 「基本的には当社のネット通販サイト『沖縄特産品本舗』で販売する。東南アジアや中国などに輸出したい考えもある。県内では『auショップ』でも販売したい」

 --販売台数の目標は

 「当面、まずは5000台を限定販売するので、すぐに追加して1万台までは行きたい。要望があれば全国の『auショップ』にも置きたい」

 --県内でも格安スマホの勢いは強いか

 「ソフトバンク系のワイモバイルが格安スマホのシェアの約半分で、われわれはKDDIグループで顧客流出を防ごうとしている。KDDI系のUQモバイル沖縄を展開し、ワイモバイルに追いつこうとしている」

 --県内のソフトバンクの店舗では、スマホ販売でキャッシュバックが依然、行われているようだ

 「沖縄は遠いから(総務省の指導が)波及しないと思って続けているようだ。われわれは守るしかないが全国で規制できなければ考え直してほしいというのもある」

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【プロフィル】湯浅英雄

 ゆあさ・ひでお 山口大経済卒。1988年10月第二電電(現KDDI)入社。2003年4月執行役員au営業本部関東統括責任者兼au東京支社長、10年6月取締役執行役員常務、15年6月沖縄セルラー電話副社長を経て、16年6月より現職。大分県出身。