日本酒振興、始まりは「國酒プロジェクト」

Sakeから観光立国
あいさつする古川元久衆議院議員=10日、東京・永田町

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 「古川元久とともに明日を創る会」が10日、東京・永田町のキャピトル東急ホテルで開かれ、官民から多くの出席者を集めてにぎわった。筆者も参加した一人だ。

 民主党政権時、現・民進党の古川衆議院議員が国家戦略担当相として2012年に発足させた「國酒プロジェクト」。日本酒振興による地方創生を目指した。

 まさに日本酒の国際化から地方へのインバウンドを増やしたいと、前年に「コーポ・サチ」を起業した筆者の思いと重なるものだった。その頃、当時の国家戦略室を所管していた内閣府から折々連絡があり、びっくりしたことを思いだす。

 常々日本酒は、素晴らしい日本のソフトパワーであり、世界に通用するように磨き上げて、大きく花開かせるには、蔵元など当事者以外に、日本酒に関わる5省庁くらいが連携して推進できればと感じていた。そんな筆者にとって、夢が現実となった出来事だった。

 その後、政権交代があったにも関わらず国策としての日本酒振興は、安倍晋三政権でも成長戦略にも盛り込まれた。さらに自民党内には「日本酒輸出プロジェクトチーム」(二之湯武史事務局長)も発足した。

 現在は、内閣府の知的財産戦略推進事務局が連絡会議などを通じて、各省庁の日本酒振興のとりまとめ役を務めている。

 日本は急速に進む少子高齢化で人口減少の最中にあり、国家経営の方向を大きく転換していくことが課題だ。これまでの、公共事業で地方経済を潤す方法から、輸出や投資による海外市場進出やインバウンドの呼び込みなどによる外貨獲得といったことを柱に据えていくことが求められている。

 そのために、もともと日本にしかない資源の世界的な価値を高めていく。日本酒の国際化はその官民の取り組み自体が国家的な大きなチャレンジに思える。価値を高めていくことができれば、全国に広がる酒どころの地域が世界に発信され、地域の名を高められるだろう。それは間違いなく次の世代に私たちが残していける財産となる。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の日本代表。日本ソムリエ協会理事、観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、ミス日本酒顧問などを務める。