勝ち組、負け組? 新線「なにわ筋線」に鉄道各社の思惑はさまざま

 

 完成すれば大阪中心部から関西空港へのアクセスを飛躍的に向上させる「なにわ筋線」。新たなビジネスチャンスが広がる一方、既存路線の乗客減少を懸念する声もあり、鉄道各社の思惑はさまざまだ。(産経新聞社 織田淳嗣、川瀬充久)

阪急「十三から南下」、南海「悲願キタ進出」、京阪「起死回生」

 南海にとって西日本最大のターミナルであるJR大阪駅近くの「北梅田」や新大阪に接続できることが最大のメリットで、関空特急「ラピート」は新大阪へ乗り入れできる。JR西日本も京都-新大阪の経路で関空へ向かう特急「はるか」が北梅田を通ることで、利用者の大幅増を見込める。

 阪急電鉄は、十三-北梅田の連絡線整備に向けて国や府市との協議を開始。十三と新大阪を結ぶ「新大阪連絡線」の敷設を長期経営ビジョンに明記した。

 京阪電鉄も並々ならぬ期待を寄せる。平成20年に開業した中之島線は、終点の中之島駅が他の路線と接続しておらず、利用者が伸び悩むなか、なにわ筋線「中之島駅」との接続は起死回生の一手となる。

 「中之島線はもともと、なにわ筋線開通を見込んで整備した面もある」(京阪関係者)ことから、同社広報は「なにわ筋線に乗客が奪われるとの試算もあるが、鉄道はネットワーク。中長期的には大いに期待している」と話す。

 一方、来年4月に民営化を控える大阪市営地下鉄にとって、なにわ筋線は競合路線となる。市内中心部を南北に走る路線は御堂筋、四つ橋、堺筋、谷町の4路線があり、影響は避けられない見通しだ。

 これに対し吉村洋文市長は23日、報道陣に「地下鉄からしたらライバル路線になるので、もっと乗ってもらえるように経営努力して切磋琢磨(せっさたくま)しながら積み重ねることが大阪の成長につながる」と強調した。