ドローンと宅配ボックス、相互認証で誤配防げ NTT、5年以内に実用化
荷物の配送などで活躍が期待されるドローン
政府の成長戦略の素案にも盛り込まれた、ドローン(小型無人機)による荷物配送の本格開始を見据え、NTTが“成りすまし”や誤配を防ぐ認証技術を開発したことが31日、わかった。無線通信を使ってドローンと宅配ボックスが、正しい相手かどうかを相互に確認する仕組み。5年以内の実用化を目指す。市場拡大が見込まれるモノのインターネット(IoT)分野で、セキュリティーの確保が課題になっていることに対応する。
NTTが開発した電子的な「権限証明書」の技術を活用した。認証局の役割を果たすサーバーからドローンや宅配ボックスに証明書を配布する。ドローンが証明書を無線通信で提示すると宅配ボックスが確認してロックを解除し、認証成功後にドローンは着陸する。
悪用を防ぐために証明書は暗号化する。従来は認証局とドローンなどとの間で、パスワードとして複雑な乱数をやり取りする必要があった。NTTは独自の暗号化技術により、短期間で大量の証明書を発行することを可能にした。NTTはこの認証技術を使った機器を実用化する方針だ。
政府の成長戦略では、2020年代にドローンによる都市部での荷物配送を始めるとした。しかし、無人配送を実現するには、誤配の防止や、危険物などを届ける成りすまし犯罪の対策が不可欠だ。NTTセキュアプラットフォーム研究所が「IoTで最も重要なセキュリティーが十分に確保されていないのが実情だ」と指摘するように、今後、需要は高まる見通しだ。
この技術は、カーシェアリングや民泊など幅広いビジネスで応用できるという。「これまで難しかったものが貸し借りできるようになる」(同研究所)技術としても注目されそうだ。
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