政府、「サイバー技術」輸出を支援 国際展示会に日本企業10社
情報セキュリティーの製品やサービスを手掛ける日本企業10社が、7月にシンガポールで開催される国際的なサイバー技術の展示会に「日本パビリオン」を出展し、政府が全面支援することが4日までに分かった。成長が著しい東南アジアに純国産セキュリティー製品をアピールし、輸出拡大につなげるのが狙い。
サイバー攻撃の脅威が増す中、世界各地でセキュリティー関連の国際展が盛んに開かれている。日本企業の展示を取りまとめるNPO法人「日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)」によると、大規模な国際展示会に民間主導で日本パビリオンを出すのは初めて。
サイバーセキュリティー分野では米国など海外企業の存在感が大きく、日本企業は出遅れている。国内で使われる製品も外国製が多い。攻撃の標的になる可能性が高い2020年東京五輪・パラリンピックを控えて、自前の防衛力を高める必要もあり、海外進出によって技術力を磨く意義もある。
7月5~7日に開かれる展示会「インターポール・ワールド」に、情報セキュリティー会社のラックやインフォセック、NECなどが出展する。すでに経済産業省が支援を決め、日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じて最高1000万円の補助金を交付する。
展示会には東南アジア各国の政府関係者や企業担当者ら1万人が参加する見込み。日本パビリオンでは、ベンチャー企業FFRIの国産ウイルス対策ソフト「yarai」や、ユービーセキュアが開発したプログラムのセキュリティー上の弱点(脆弱性)を検出するツール「VEX」などを紹介する。
経産省の師田晃彦サイバーセキュリティ課長は、海外進出を支援する理由について「日本を代表するセキュリティー企業が登場してほしい。世界に向かう企業をサポートしていきたい」と語る。FFRIの鵜飼裕司社長は「日本から世界展開して成功するロールモデルをつくっていきたい」と強調した。
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