東芝、半導体売却で米WDに書簡 工場運営の権利主張 トップ会談に向け牽制か
東芝が、三重県四日市市の半導体工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)に対し、工場の運営主体は東芝側にあるとする内容の書簡を送付したことが7日、分かった。WDは、東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の他社への売却に反対しているが、東芝は売却の妥当性を改めて主張した形だ。売却交渉は米半導体大手ブロードコムとの一騎打ちで、大詰めを迎えている。
書簡は、これまでの東芝とWDの合弁契約に基づく双方の権利内容を確認した。
東芝は、WDとの半導体合弁会社が所有するのは工場の生産設備だとする一方、工場建屋や土地などは東芝側の所有と指摘。WDから先週、「合弁会社の持ち分が明確でない」との指摘を受けたため、工場の権利関係を書簡で示した。
合弁契約には平成33年に期限を迎える契約もあるとされ、WDが東芝メモリ売却手続きの妨害行為を続ければ、東芝は契約を更新しない選択肢もあると指摘したとみられる。
また、WDは工場に新しい製造棟をつくる構想など投資継続の姿勢を訴えて、対立解消に向けた協議を有利に運ぼうとしている。これに対し、土地や建物を所有する東芝側の協力がなければ実現しないと牽制する思惑もありそうだ。
東芝とWDの幹部は近く会談する方向。WDは東芝メモリ買収の譲歩案を示す見通し。東芝には6月後半の売却決定まで残り時間が少なく、今回も折り合えなければ、WDに見切りをつけて、他の入札参加陣営を選ぶ可能性がある。
東芝が進めている半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の売却交渉は、合弁相手の米ウエスタン・デジタル(WD)と、資金力のある米半導体大手ブロードコムの2陣営に買い手が絞られ、事実上の一騎打ちとなっている。
ブロードコムは資金力に加え、WDと異なり独占禁止法上の問題を考慮する必要がない点も評価されている。ただ雇用や設備維持への考え方が不透明で、国策として半導体を保護したい経済産業省などの理解が得られるかが課題だ。
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