ボルボ、インドで高級車「XC90」を現地生産 3年以内に販売台数倍増

 
混雑する西部ムンバイの道路。成長が見込まれるインド乗用車市場で外資メーカーの明暗が分かれている(AP)

 自動車メーカーのボルボ・カーズ(スウェーデン、中国・浙江吉利控股集団傘下)は、インドで高級車の現地生産を開始する。ボルボは3年以内に高級車の販売台数を倍増させるとし、成長が見込まれるインド市場で攻勢をかける。現地紙エコノミック・タイムズなどが報じた。

 ボルボは、インドでトラックやバスなどを生産するボルボ・グループ・インディアの南部バンガロールにある工場内に高級車の組み立てラインを設置する。スポーツ用多目的車(SUV)の「XC90」の生産を今年末までに開始する予定だ。生産車種を順次拡大し、小型SUV「XC40」などの生産も視野に入れているとされる。

 現地生産に伴い、インド高級車市場での販売台数を現在の年間1500台から3年後には3000台に引き上げてシェアを5%から10%に倍増させる目標を掲げている。

 ボルボのインドでの販売台数は、過去2年で32%増と好調だ。2017年は前年比25%増の2000台を見込んでいる。同社のハカン・サミュエルソン社長兼最高経営責任者(CEO)は、これまでは輸入していたため販売台数が限定されていたとし、現地生産により販売台数の拡大を図るとともに販売網の拡充などにも注力していくと指摘した。長期的な視野でインド高級車市場での存在感を高めていく姿勢も示している。

 拡大が続くインド乗用車市場をめぐり、外資メーカーは明暗が分かれてきた。仏PSAグループは成長を見込んで再参入を計画する一方で、米ゼネラル・モーターズ(GM)は投資に見合う成長が期待できないとして市場撤退を5月に明らかにした。GMのインド西部グジャラート州の生産工場については、19年にインド市場への参入を狙う中国・上海汽船集団傘下MGモーターが獲得に向けた交渉を進めているとされる。(ニューデリー支局)