東芝の半導体売却交渉 米WDが「日米連合」合流へ トップ会談で譲歩案
東芝が進める半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の売却を巡り、合弁相手の米ウエスタン・デジタル(WD)のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は9日、東京都内の東芝本社を訪れ、綱川智社長とトップ会談した。産業革新機構や日本政策投資銀行などの「日米連合」に合流し買収する新たな譲歩案を提示し、調整を続けることで合意した。東芝の対応が焦点となる。
WDは共同運営する三重県四日市市の半導体工場を東芝が第三者へ売却することに反対し、強硬な主張を繰り返してきたが、膠着状態を打開するため、態度を大幅に軟化させたとみられる。
今後の調整は、日米連合に対するWDの関与の度合いを中心に独占禁止法などの問題をうまく解決できる枠組みをつくれるかが課題となる。東芝は28日までに売却先を決める方針だ。
これまでの交渉で買い手は、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)を含む日米連合と、米半導体大手ブロードコムの陣営に事実上絞られ、WDの動向が鍵を握る展開となっていた。
日米連合の形成や、東芝とWDの交渉はなかなか進展せず、東芝社内ではしびれを切らしたように、買収額などの評価が高いブロードコムとの優先交渉に踏み切るべきだとの声が強まった。
ただブロードコムの案は東芝メモリ株を100%取得する内容で、重要技術の国外流出を防ぐための外為法に抵触する懸念が残る。WDが東芝との合弁契約などを盾に訴訟などに持ち込めば泥沼化する恐れも拭えない。
技術流出への懸念などから劣勢とされる米ファンドのベインキャピタルと韓国SKハイニックスの陣営は、WDの取り込みに動いており、買収額の上積みなど巻き返しを狙っている。台湾の鴻海精密工業は米アップルや米アマゾン・コムなどが買収に参加する見通しと説明している。
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