「軽で健全な競争続ける」 ダイハツ工業の奥平総一郎社長、親会社トヨタとスズキとの提携で

 
インタビューに応じるダイハツ工業の奥平総一郎社長=東京都中央区(今井裕治撮影)

 ダイハツ工業の社長に8日付で就任した奥平総一郎氏は14日までに産経新聞などの取材に応じた。ダイハツに全額出資する親会社のトヨタが、軽自動車で競合するスズキと業務提携に向けた交渉を進めていることについて、奥平氏は「軽市場の中では今までと変わらず健全な競争を続けていきたい」と述べ、商品力や販売を競い合う立場は変わらないとの認識を示した。

 ダイハツは平成28年8月にトヨタの完全子会社となり、今年1月には新興国向けの小型車を強化するため両社にまたがる新部門を設けた。奥平氏は「軽で培った良品廉価の小型車づくりという強みを磨き、新興国を強化したい」と述べた。

 奥平氏は、軽と小型車の競争力強化には、車の性能を左右する車台の共通化などトヨタが進める開発効率化の取り組みをダイハツでも進めることが欠かせないと強調。複数の車種で共通化でき、生産性や乗り心地の向上につながる新たな車台を「32年までに軽に適用したい」と述べた。

 一方、軽自動車税の増税後、28年まで2年連続で200万台を割り込む国内の軽市場については「現状維持できればいい」と述べ、横ばいが続くとの見方を示した。