米助言会社、東芝全取締役の再任案に反対 資質に疑い

 

 経営再建中の東芝が28日に開く定時株主総会で、会社側が提案している綱川智社長ら全取締役の再任案に反対するよう、米議決権行使助言会社グラス・ルイスが勧めていることが18日、分かった。資質に疑いがあるなどと批評しており、助言会社が取締役全員の再任に反対するのは珍しい。

 東芝は米国での原発事業をめぐって巨額の損失を計上し、2017年3月期連結決算の正式発表が遅れている。

 グラス・ルイスは「東芝グループの内部管理が有効に機能しているか重大な疑義がある」と指摘。綱川社長については「株主の利害を守る上で適切な監督をしていない」と批判した。ただ今回の総会で提案する取締役9人の任期は、正式な決算を報告する臨時株主総会までとされており、実際に否決される可能性は低そうだ。

 助言会社は株主総会での議決権行使に関して、契約を結んだ投資家に提言している。グラス・ルイスは、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と並ぶ大手助言会社の一角で、海外の投資家を中心に影響力を持っている。