「ルノーの完全子会社化は?」にゴーン会長「何を根拠に…」

日産株主総会詳報(2完)
日産自動車のカルロス・ゴーン会長(大西史朗撮影)

 株主との質疑応答は、ショールームでもおなじみの女性コンパニオン「ミス・フェアレディ」が質問者を抽選する形で行われた。この日のために会社を休んで出席したという社員株主が、仏政府が株式を保有するルノーの最高経営責任者(CEO)を兼務するカルロス・ゴーン会長の高額な報酬に触れる一幕もあった。

 株主「会長の報酬が高すぎると、仏政府が指摘していると報道している。日産がルノーの完全子会社になるのではないかと危惧している。国内生産100万台維持すると常々いっているが、国内では『e-POWER(イーパワー)』などを除くと目立ったヒット商品がない。巻き返すつもりあるのか」

 ゴーン会長「日産がルノーの子会社になるって? なにを根拠にいってるのか。社員がそういうことをいうとは信じられない。事実をみれば、そんなことはないのは明らかだ。ルノー、日産は互いに尊重しており、成功している」

 西川広人社長「国内生産は昨年度は100万台を超えた。今後も方針は変えない。実際、少しずつ増えていくと考える。輸出向けの生産のほうが多くなってしまっているが、国内の販売を伸ばすのは至上命題だ。

昨年度後半以降、新型商品を投入しており、顧客の反応は想定以上にポジティブだ」

 株主からの質問は、日産が注力する電気自動車(EV)に関するものが中心を占めた。単独でCEOを務める西川社長が、それらに対して落ち着いた口調で回答していった。

 株主「経営陣のリーダーシップは評価しているが、EV事業は大丈夫なのか。自動車業界では、日産の技術を超える動きが起きているのではないか。『EV一本足打法』ではだめでは」

 西川社長「電動化は進むが、市場によってスピードは異なる。電動化の技術を磨くとともにエンジン技術の革新も進めていきたい」

 株主「日産が実績を伸ばし、アライアンスに力入れていることなどは高く評価しているが、シェアカー、レンタカーについては、どんな見解を持っているのか」

 西川社長「クルマがどういう使われ方をされるにしろ、高機能でコネクトされる必要がある。顧客からどうタイムリーに情報をもらうかが重要だ。デジタル革命が進むと、情報は一元的タイムリーに出てくる。どういう形で商品を買ってもらえるのかを考えていきたい」

 株主「EVの新型リーフを今年発売する。EVのラインアップ拡大は」

 西川「日本市場は技術的に進み、要求レベルが高い。従来の普通エンジンで動いたクルマがEV化されていく。そこでも先を行きたい。軽自動車の電動化も大きなテーマだ。ここでも先行していきたい」

 7人の質問者とのやりとりが終えた後、議案の採決へ。取締役9人の選任などに関する3議案がすべて可決され、1時間45分に及んだ総会が終了した。

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