三菱地所 米国主軸に海外事業を積極展開

トップは語る

 □三菱地所社長・吉田淳一さん(59)

 --就任して約3カ月になる

 「5月の連休明けにあった中期経営計画の発表を終えたばかりで、まだ社長になった実感が持てないが、多くの方から『三菱地所が東京を盛り上げてほしい』という声を聞いて、改めて社会的使命の大きい企業であることを実感している」

 --今年度内には本社移転も控えている

 「当社のオフィス自体が、オフィスビルのショールームになるようにしたい。壁のないオープンな空間にしていく。執務スペースに隣接して共用空間を広めにとり、軽食を取りながら会議をしたりしたい。2人で会話していると、横で聞いた人から新たな刺激があるような。今後10年、20年を支える新しい発想というのは、思いつこうというよりは環境をつくることで自然と湧き出るもの。極力、ペーパーレス化も図って、よほどのことがない限り、外部に見せたら困る部分は極小化していく」

 --海外事業比率は中長期的に2割が目標だ

 「主軸は米国。やはり安定した不動産市場があるのは魅力だ。(子会社の)ロックフェラーグループなどのノウハウや経験の蓄積があるほか、投資家の資金も入れて規模の大きい事業展開もできる。ビル改修などは投資規模は大きいが規模にとらわれず利益率にこだわって、今後の事業展開を見極めたい」

 --急増するインバウンド需要をどう取り込むか

 「東京都心にも訪日観光客が増えている。『キレイに整ったパレス』として皇居が人気らしく、訪れた外国人が大手町や丸の内エリアに寄っていただいている。ハラルに対応した食事なども含め、グローバルな対応ができる街にしたいし、日本がアジアの拠点となるような情報発信をして、5年、10年先の日本の成長につながる仕掛けをしていきたい」

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【プロフィル】吉田淳一

 よしだ・じゅんいち 1982年東大法卒、三菱地所入社。人事部長、ビルアセット業務部長などを経て、2014年常務執行役員、16年取締役兼執行役常務。17年4月から現職。福岡県出身。