マルチ決済導入企業相次ぐ ニッポンペイ、仮想通貨でも業務提携

 
ニッポンペイのスマホ決済サービスを導入したワタミの「和民銀座5丁目店」。レジにはウィーチャットペイとアリペイが使えることを示すステッカーが貼られていた

 決済サービスを手がけるNIPPON PAY(ニッポンペイ、東京都中央区)が展開するマルチ決済サービスを導入する企業が続々と誕生している。

 飲食関連に続き、28日には仮想通貨の取引所・交換所を運営するビットポイントジャパン(同目黒区)と仮想通貨決済サービスで業務提携したと発表。同日からニッポンペイのアプリを使って「ビットコイン」での決済が可能となった。8月からは、同じく仮想通貨の「イーサリアム」にも対応、イーサリアムを使って代金を支払える飲食店や店舗が日本で初めて登場する。

 ニッポンペイは、中国のスマートフォン決済市場で大きなシェアを持つ決済サービス「ウィーチャットペイ」と「アリペイ」に1台の端末で対応できるマルチ決済サービスを提供。中国人など訪日外国人客を誘致したい商業施設・店舗などに採用を呼びかけてきた。

 これに外食飲食チェーンとしていち早く対応したのがワタミだ。今月12日から、外国人客が多く訪れる東京都内の「和民」銀座5丁目店を皮切りに、浅草雷門店、新宿東口靖国通り店に試験的に導入。外国人客の呼び込みに効果的と判断すれば多店舗展開に乗り出すという。

 一方で、外食企業向け情報システムを提供するアルファクス・フード・システムとも同日に提携。同社がASPによる基幹業務サービスを提供している約7000店舗で、ニッポンペイのマルチ決済サービスが利用できるようになった。これが株式市場で評価され、12日の発表直後にはアルファクス株価は約16%上昇した。

 ニッポンペイは加盟店誘致に向け、店舗利用者が求めるマルチ決済サービスと親和性の高い企業との提携戦略を加速。ワタミ、アルファクスに続き、日本国内での流通が増大していくと期待される仮想通貨の決済システムでビットポイントと連携した。

 流通時価総額は、代表的なビットコインが5兆円前後でトップ、一方のイーサリアムは3.5兆円規模で2番手だが、取引完了までの時間がビットコインより短いため利便性が高いと評価。現状では飲食店や店舗での決済で使えるのはビットコインがほとんどだが、8月以降はイーサリアムに対応する店舗が出現する。ニッポンペイはマルチ決済サービスの展開により、日本全国の店舗での仮想通貨決済が普及すると期待している。