「空飛ぶクルマ」実現へ実寸大試作機開発 CARTIVATOR・中村翼代表
自動車や航空機産業で働く若手技術者ら有志の団体「CARTIVATOR(カーティベーター)」が1人乗り空飛ぶクルマ「スカイドライブ」の開発に挑戦している。5月にはトヨタ自動車グループ15社から3年間で総額4250万円の資金調達に成功、実寸大の試作機開発を進めている。中村翼代表に開発の現状と今後の展開について聞いた。
--「空飛ぶクルマ」とは
「車両としては前部に1輪、後部に2輪のいわゆる3輪自動車。それに羽根が付いたようなもので、小型無人飛行機(ドローン)のように垂直に上下する。車体には軽くて丈夫な炭素繊維、窓はアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂を使う。長さ3メートル、幅1.2メートル、高さ1メートルほどで、軽自動車を一回り小さくしたような大きさだ」
--「有人ドローン」のイメージだが操作や性能は
「ハンドルの横にある『パドルシフト』と呼ばれるレバーで上昇、下降を操作する予定。地上から数十メートルの高さで、耐横風性も風速毎秒10メートル以内なら確実に飛べるようにしたいと考えている」
--どんな使い方ができそうなのか
「先頃、九州北部で集中豪雨による大きな被害が出たが、例えば自治体が被災地の現状を調べるために飛ばすことも考えられる。状況を把握し、救援物資の輸送に役立てられるだろう。そのほかにも、レジャー用途ならパラグライダーのような使い方もあるだろう」
--飛行時の姿勢制御が開発の大きな課題となっている
「これまでの試作段階で、プロペラの回転によって生じる気流と、重量増による応答性の低下により、安定した姿勢を得ることが難しいと判明した。まずは物理的な特性改善を検討しているが、課題の解決には、AI(人工知能)などの新たな技術の活用も念頭に置いている」
--実寸大試作機の開発では資金調達に苦労した
「メンバーの自己資金ではまかなえず、クラウドファンディングで何とか1人乗り試作機の開発資金のめどをつけた。来年には披露できるように頑張りたい」
--その先のプランは
「2人乗りの開発に挑む。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式でスカイドライブが使われれば、日本発の未来の乗り物として世界にアピールできる」
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【プロフィル】中村翼
なかむら・つばさ 慶大院理工学研究科修了。大手自動車メーカーで主に車両の足回り関係部品の設計を担当。2012年に有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター)を設立、代表に就く。33歳。東京都出身。
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【団体概要】CARTIVATOR
▽本部=東京都新宿区大久保3-8-1-1404
ホームページ=cartivator.com
▽設立=2012年9月
▽代表理事=福澤知浩氏
▽参加者=19人
▽活動内容=空飛ぶクルマの開発
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