ゴルフスタジアム/メダリストプランニング

ハザードマップ

 ■「1本足打法」のリスク認識できず

 ▼ゴルフスタジアム ゴルフスタジアムは7月21日、東京地裁から破産開始決定を受けた。同社はゴルフ予約サイトの運営やゴルフスクールなどを手掛け、2016年8月期には会員向け格安ゴルフチケット提供の「ごるチケ!」やレッスンプロ向けWEBサイト制作などで業績を伸ばし、売上高30億1177万円を計上した。

 近年はレッスンプロらにホームページ作成とゴルフスイング解析ソフトなどを販売する一方、ソフト代金とほぼ同額を広告料として支払う契約を結び、顧客を増やしていた。

 しかし今年2月に資金繰り悪化を理由に突然、レッスンプロらへの広告料支払いを停止。4月にはソフト購入代金のクレジット返済が残るレッスンプロなどが、「ゴルフスタジアム被害者を守る会」を結成。トラブル報道が相次ぐなか5月16日には大手通信会社から提訴された売買代金請求訴訟に敗訴した。そうした中、6月27日、レッスンプロらが結成したゴルフスタジアム被害者を守る会有志から東京地裁に破産を申し立てられ、今回の措置となった。

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 ▼メダリストプランニング メダリストプランニングは7月5日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 同社は競輪選手向けのウエアの開発・製造・販売を手掛け、社長がプロの競輪選手であった時期から、落車時のけがを軽減させるためのプロテクターシャツの開発に注力。業界で高い市場シェアを確保し、プロサイクリスト用サイクルウエアを中心にスポーツウエア、スポーツグッズの開発・製造・販売なども手掛け、ピークの2010年7月期は4億1000万円の売上高を確保していた。

 しかし、その後は大手メーカーなどとの競合が厳しく減収基調が続いた。血行が良くなり老廃物を排出する成分を使った特許のある糸を日本では同社が唯一扱えることになり、これを活用した新製品開発に注力したが業績は回復せず、16年7月期の売上高は1億8544万円まで低下。近年は損失計上を余儀なくされていた。資金状況が逼迫(ひっぱく)する中、6月3日までに事業を停止、破産申請の準備に入っていた。

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【会社概要】ゴルフスタジアム

 ▽本社=東京都豊島区

 ▽設立=2004年9月

 ▽資本金=5100万2500円

 ▽負債額=56億6202万円

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【会社概要】メダリストプランニング

 ▽本社=東京都八王子

 ▽設立=1990年6月

 ▽資本金=300万円

 ▽負債額=約1億7200万円

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 〈チェックポイント〉

 ゴルフスタジアムは、レッスンプロなどを対象にHP作成費などを自社の広告料で補填(ほてん)できるとして売り上げを伸ばした。だが「資金繰り悪化」から訴訟や支払いトラブルが表面化。事業は1年前から逼迫(ひっぱく)していたことも判明。対外的な説明が不十分なまま債権者から破産を申し立てられたが、全容解明が待たれる。

 メダリストプランニングは、元プロ競輪選手社長が開発したプロテクターシャツで売り上げを伸ばし、業界での知名度も高まっていた。しかし、大手資本の参入などで競争が激化。そこで新製品の開発に乗り出したが、ときすでに遅く、業績回復にはつながらなかった。「1本足打法」のリスクをどこまで認識していたのか。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)