JT「加熱式たばこ」出遅れ挽回 専用カプセルの増産前倒し
JTが東京・銀座に開設した加熱式たばこの販売拠点「PloomShop銀座」=6月28日
日本たばこ産業(JT)は2日、加熱式たばこ「プルーム・テック」の販売拡大に向け、専用たばこカプセルの増産を前倒しすると発表した。当初は2017~19年度に500億円を投じ、年間10億箱(1箱5個入り、紙巻きたばこ20本相当)の生産設備を整える計画だったが、約1年早める。紙巻きたばこからの乗り換えが想定以上に拡大していることに対応する。
米同業フィリップ・モリス・インターナショナルは加熱式の販売を昨年4月に日本全国に展開し、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコも17年末に全国展開を完了する予定。これに対しJTは「18年上半期中」と出遅れている。たばこカプセルの構造が紙巻きたばこと大きく異なり、既存の生産設備を転用できないことが響いている。
しかし、紙巻きから加熱式への乗り換えのペースは加速しており、JTは今年2月、年末時点の加熱式シェアの見通しを従来の15%から18%に引き上げた。
逆に紙巻きの年間販売量は前年比12.4%減の930億本と、当初見込みから30億本下方修正した。
宮崎秀樹副社長は2日の決算発表記者会見で「生産力を早期に高め、2020年には加熱式のシェア首位を目指す」と語り、出遅れを挽回する考えを示した。
同社が発表した17年1~6月期連結業績によると、売上高は前年同期比2.9%減の1兆453億円、営業利益は9.2%減の3132億円、最終利益は8.7%減の2256億円だった。
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