「酒蔵ガイド研修」に高い関心

Sakeから観光立国
酒蔵ガイド研修。募集を大きく上回る応募があり、関心の高さがうかがわれた=7月19日、神奈川県海老名市

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 日本酒造組合中央会日本の酒情報館の主催による「酒蔵ガイド研修」が7月19日、神奈川県海老名市の泉橋酒造で行われ、筆者も参加した。

 インバウンド(訪日外国人観光客)を酒蔵に呼び込もうという動きは、観光庁のテーマ別地方観光誘客事業として、官民が会員として名を連ねる「酒蔵ツーリズム推進協議会」が2年続けて選ばれていることでも知られている。

 今回の研修では、全国の酒蔵、そして通訳ガイドの有資格者から募集を大きく上回る応募があり、また、この研修の取材当日には、複数のテレビ局、新聞社が駆け付け、夕方のニュースで報道されるなど、受け入れ側のみならずメディアの関心の高さも感じられた。

 講師は、主催の日本の酒情報館の今田周三館長と木戸泉酒造(千葉県いすみ市)に蔵人として酒造りにも関わる米国出身のジャスティン・ポッツ氏だ。

 両氏の座学での講義で、日本酒輸出の現状と海外戦略、酒蔵ツーリズムの現状、海外からの酒蔵見学者に楽しんでもらうためのアイデア、酒造りの概要、酒蔵見学に必要な語彙(ごい)と表現などを学び、その後に、泉橋酒造で英語を使って説明を行う蔵見学研修というプログラムだ。

 資料には、酒類総合研究所が作成した「清酒の専門用語の標準的英語表現リスト」などが用意された。蔵見学の最後には蔵の外に出て、泉橋酒造の蔵人から、蔵を囲む田んぼの青々とした稲に風がそよぐのを眺めながら、酒造りに使われる酒米について丁寧な説明を受けた。

 泉橋酒造は全国でも少ない酒造り用の米も生産している蔵。海外から酒造りに関心を持って酒蔵見学に来る外国人はワインツーリズムに親しんだ層に違いない。彼らは海外のワイナリーのブドウ畑を巡りやって来る。そうした彼らの視点をイメージできるような酒蔵ガイド研修の仕立てが素晴らしいと感じた。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の日本代表。日本ソムリエ協会理事、観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、ミス日本酒顧問などを務める。