東芝テック 「Loops」シリーズ新製品 「消す」「残す」印刷を一台に

 
東芝テックの複合機「Loops(ループス)」シリーズの新製品

 従来の白黒印刷と、印刷した後でも文字などを消せる印刷の両方の機能を一台に搭載した東芝テックの複合機「Loops(ループス)」シリーズの新製品が発売された。「消す印刷」と「残す印刷」の使い分けでオフィスで使う紙の使用量を削減でき、環境負荷を軽減するまたとない新製品となっている。

 同社によると、ループスの「消す印刷」は、加熱によって文字などの印刷部分が消える、ブルーの専用トナーを使う。文字を摩擦熱で消せるボールペンのように、紙に熱を加えることでブルーの色を消去する仕組みだ。文字を消した紙は、数回程度再利用できるのが特徴だ。

 利用法としては、仕入れ先からの連絡や注文などのファクスのほか、社内で配布する文書や掲示など、長期保管の必要がない一時的な文書だ。あらかじめ「消す印刷」を使うことで紙の使用量を減らせるわけだ。

 もともと2013年発売のループスは「消す印刷」機能のみだった。顧客企業などから「紙の使用量が3分の1に激減した」などの声が寄せられ反応は上々だったという。

 一方、従来型の白黒印刷も一台で済ませたいという要望も寄せられ、同社が新製品開発に注力。今回のハイブリッド複合機の発売となった。これまでブルー印刷の紙を消すには別売りの消色装置を用意する必要があったが、新製品では本体だけでも同じ機能が使え、省スペース化などが図られた。

 同社は7月3日から発売を始めたが、「顧客からの問い合わせなど反応は良い。試験的に使ってもらうことで、導入を増やしていく」とする。また、環境意識の高い欧州など海外にも販売を強めていく考え。年間の目標販売台数は1500台。3機種ある新製品は、連続複写枚数やプリント速度、ウォームアップタイムなどの性能が異なり、税別価格は114万~155万円。