クリエアナブキ、マッチング強化へ大阪に新拠点 中四国へのUIターン転職支援

 
職住近接という理由でUIターン組の人気が根強い高松市

 クリエアナブキは、中国・四国地方へのUIターン転職の支援体制を強化する。その一環として大阪市に転職支援拠点「中国・四国UIターンセンター」を開設。また、東京・渋谷にある既存拠点についても、専任コンサルタントの数を順次増やしていく考えだ。中四国地方でも中小企業を中心に人材不足が深刻化しており、「とくに『こういった技術分野を得意とする人材がほしい』というニーズが強まっている」(蔵田徹会長)という。このため一連の取り組みを通じて仕事と家庭の両立を求める求職者を呼び込み、中四国の企業とのマッチングを強化する考えだ。

 関西は中四国各県からの進学・就職先の主要エリア。UIターンに関するニーズも高いことから、拠点を梅田駅(大阪市北区)近くの利便性に高い場所に新設した。センターには専任コンサルタントも配置する。人材派遣などを手がける既存の大阪支店も移転、併設した。

 同社は不動産関連事業を営むあなぶきグループの一社。このため、あなぶき興産をはじめとするグループ各社と連係し、UIターン時の住まい探しなども行う。

 UIターンの潜在需要を掘り起こすため「地元で働く、自分らしく」という個別セミナーを10月まで順次開催する。地方在住のメリットや転職の心構えなどを専任コンサルタントがマンツーマンで対応する。

 また、妻の実家で暮らす“嫁ターン”という行動が増えるのに伴い、妻も子供を預けて働きに出るケースが顕在化している点を考慮。働く主婦専用のウェブサイトも開設した。

 東京の拠点は昨年8月に開設。現地に行かずに効率的に情報を収集できるという理由から評価が高く、中四国への転職案件が従来比で2倍以上に増えたという。

 Uターンは地方で生まれ育ち、都市部に進学・就職した人が再び生まれ育った出身地のエリアに戻って仕事に就くことを指す。Iターンは現在の居住地以外に移住して転職すること。

 東京や大阪の企業に比べると一般的に収入は低くなるが、生活コストが安いことや通勤時間の大幅短縮に魅力を感じ、実行に移す人が増えている。

 これを受けて地方自治体の間では、奨励金の支給など地場企業への就職につながる支援策が相次いでいる。

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【会社概要】クリエアナブキ

 ▽本社=高松市磨屋町2-8

 ▽設立=1986年4月

 ▽資本金=2億4340万円

 ▽社員数=102人

 ▽売上高=67億9088万円 (2017年3月期連結)

 ▽事業内容=人材サービス