フィリップス、ヘルスケアプロセスなど紹介
家電Watch■アプリ連動で生活向上
蘭フィリップスは、1~6日に独ベルリンで行われた世界的な家電の展示会「IFA2017」で今後の方向性を発表、主要な製品も併せて紹介した。同社ヘルス&ウェルネスビジネス部門のトップを務めるEgbert van Acht氏は、ビジネスの具体的な目標として「2025年までに年間30億人の人々の生活を向上させること」を掲げ、それを実現するための同社の取り組みとして“ヘルスケアプロセス”を紹介した。
◆医師と情報シェア
これは「健康な生活」「予防」「診断」「治療」「ホームケア」を一連のプロセスとして、統合的な医療、リアルタイム分析および付加価値サービスを通じて、人々の健康と効率性を改善するというもの。また具体的な製品として、睡眠時無呼吸症候群の治療機器「ドリームファミリー」をはじめとするより専門的な機器、赤ちゃんの成長をアプリで統合的に管理する「u Grow(uグロー)」、アプリと連動して最適な室内環境に導く「空気清浄機2000i」、正しい歯の磨き方をガイドする電動歯ブラシ「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」、特殊な光を用いて行う脱毛機器「Lumea Prestige(ルメア・プレステージ)」の5つを紹介した。
いずれもアプリと連動して使うことが可能で、医療機器や電動歯ブラシにおいては、その情報を医師とシェアできるという。「よりダイレクトで先進的なヘルスケアが可能」(Acht氏)としている。
赤ちゃんの成長を総合的に管理できるアプリのuグローは、ベビーモニターや体温計などさまざまな機器と連携する。温湿度計も兼ねたベビーモニターでは、日常的に赤ちゃんの様子を見られるだけでなく、いつ泣いたか、いつ寝たかなどを検知、アプリで管理できる。ベビーモニターはアマゾン・コムの音声認識技術「Alexa(アレクサ)」との連携にも対応する。
また、既に発売している体温計では毎日の体温測定のデータをアプリで一括管理できるという。さらに今後発売する計量機能付きの哺乳瓶を使うことで、赤ちゃんが何時にどれくらいの量のミルクを飲んだかもアプリで管理できる。
これらのデータは成長記録として活用できるだけでなく、体調不良の際に医師に提出するデータとしても有用だという。
◆特殊光を使い脱毛
特殊な光によるIPL脱毛(インテンス・パルス・ライト)用の機器、ルメア・プレステージは、アプリと連携して使うことでより効果的な脱毛が可能。アプリでは、自分の肌のトーンを選択、より効果的なプログラムを設定できる。また、毛の生えてくる時期には一定の周期があり、時期に合わせて継続的な施術を行うことでより効果的に脱毛できる。ルメア・プレステージのアプリでは、施術のスケジュールを管理、次にいつ施術するのが良いかをアプリで推奨してくれる。
最上位モデルには顔用、足用、ビキニ用、ワキ用の専用ヘッドが用意されている。顔用のヘッドではより繊細な制御など、ヘッドに応じてプログラムが異なる。各ヘッドには、チップが搭載されており、ヘッドを交換するだけで自動でプログラムが設定される仕組み。
日本でも既に発売している電動歯ブラシ、ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマートは、アプリと連動して正しい磨き方を指導する。本体とスマートフォンアプリはBluetoothで連動しており、歯ブラシの動きやどこを磨いているかなどを検知できる。
ブラシを動かし過ぎた場合や歯に強く押しつけ過ぎた場合は、アプリの画面でアラートが出るほか、本体のランプが点灯し、注意喚起を行う。アプリ画面では歯を3Dで立体的に見ることができ、磨き残しなども確認できる。またドイツにおいては、これらの情報を歯科医に送り、アドバイスを受けるといった取り組みも開始しているという。
◆持ち運べる吸入器
フィリップスは医療機器分野での功績があり、現在2億人を超える患者が同社の医療機器を使用している。医療機器においても、ユーザーの利便性を推進する手段としてアプリとの連携を積極的に進めている。
睡眠時無呼吸症候群の治療機器であるドリームファミリーでは、使用時に違和感のない形を採用したほか、睡眠時のデータをアプリで管理、医師と共有できる取り組みを進めている。また持ち運び可能でコンパクトな充電式の吸入器(メッシュ式ネブライザ)など、より便利で使いやすい医療機器も展示していた。(インプレスウオッチ)
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