「コスト削減ビジネス」で急成長 BUONO・首藤弘代表取締役

 
BUONOの首藤弘代表取締役

 業務管理システム、プリンターレンタル、ウォーターサーバーと次々と新しい領域に進出しているBUONO(ボーノ)グループ。中でも昨年10月から販売を始めた電気代が削減できる電磁波減衰プレート「エレソル」は企業などの引き合いが強く、急成長している。この流れに乗って今秋にも低コストを売りにした電力小売り事業を始める予定だ。グループを取りまとめるBUONOの首藤弘代表取締役は「企業のコスト削減に役立つビジネスをどんどん増やしていきたい」と事業拡大に意欲を燃やしている。

 “貼るだけ”で節約

 --設立6年目だが、事業領域を急速に広げている

 「安くてお得な企業向けビジネスをやろうとの志のもと、まず業務管理システムの開発からスタートした。依頼されたお客さまからの評価は高かったが、システムは高いという先入観もあってか電話でアポイントがなかなか取れなかった。お客さまと接点ができないと事業が進まないので、接点ができるビジネスとしてプリンターレンタル事業を立ち上げた。だが、こちらも予想に反してアポの低さに悩まされた。そこで簡単にアポが取れそうで、ビジネスとして面白い電気代が節約できる電磁波減衰プレートに着目した」

 --電磁波減衰プレート「エレソル」とは

 「複合金属に圧力をかけて固めて作る幅5センチ、高さ2.5センチのプレート。すでに先行企業がいたが、独自製法を編み出し減衰性能の高いプレートの開発に成功した。平均10%前後の電気使用量削減効果が見込めるが中には25%超の事業所もある。普通の感覚だと“ブレーカーに貼るだけで電気代が下がる”というと何とも怪しい商品に映ってしまうが、この疑念を払拭するため2カ月間効果がなかったら全額返金するキャンペーンをスタート。その効果もあって試験導入に踏み切る企業が相次ぎ、今は本契約がどんどん増えている」

 電力小売り参入

 --販売状況は

 「昨年10月のスタート時は月300枚のレンタルを目標にしていたが、いきなり1000枚を達成。それ以降、続伸しており、8月時点で累計約1万4000枚に達した。製品そのものの引き合いとともに、代理店になりたい、OEM(相手先ブランドによる生産)供給をしてほしいといった話も多数舞い込んでいる。大阪、鹿児島に加え、月内に名古屋、仙台、年末に福岡に拠点を新設し、来年中に国内だけで代理店販売を含め月5500枚体制を確立したい。レンタル料は1枚当たり月3000円なので、月5500枚純増していけば、1650万円が毎月積み上がる計算だ」

 --海外展開は

 「ドイツ、UAE(アラブ首長国連邦)、カタール、スーダン、エジプト、シンガポール、フィリピン、タイ、台湾などにサンプリングを始めており、高評価をいただいている。アジア販売に向けてシンガポールに合弁会社を設立する段取りだ。その他はOEM供給を考えている。国際的な安全基準などをクリアした後、海外に攻め込む」

 --一方、電力小売り事業にも参入する

 「電力自由化でさまざまな企業が参入し低料金を競っている分野だが、『エレソル』とシナジー効果が見込め、競争力が発揮できると踏んでいる。さらに当社グループ内のサイトとも連携し、ITの力で新電力のユーザーを獲得していきたい」

【プロフィル】首藤弘

 しゅとう・ひろし 東海大二高(現・東海大熊本星翔高)卒。2002年NTTドコモ入社。プレミアムウォーターホールディングス(創業に参画)を経て、12年BUONO設立。37歳。熊本県出身。

【会社概要】BUONO

 ▽本社=東京都渋谷区渋谷3-27-11

 ▽創業=2012年3月

 ▽資本金=9000万円

 ▽従業員=202人(連結)

 ▽売上高=非公表

 ▽事業内容=システム開発事業、プリンターレンタル事業、ウォーターサーバー事業、コンサルタント事業、エレクトリック事業、IT事業