アイゼン、映像表現用いて学生と制作 聴覚障害者向け「音のない音楽」
音楽教育事業などを展開するIZENE(アイゼン)が、音楽を使った新たな価値創出に取り組んでいる。倉持武志社長が東邦音楽大学、東京工芸大学の学生と社会貢献活動として「手話ミュージックベンチャープロジェクト」を始動。また会員制交流サイト(SNS)を活用した販売促進活動に乗り出した。
手話プロジェクトは、自分の音楽技術を世の中のために生かしたいと考える東邦音大の小竹飛遥氏、東京工芸大の早川貴士氏ら9人の学生が参加する。
9月のキックオフミーティングで障害をテーマに音楽技術を使って社会貢献活動に取り組むことを確認。聴覚障害者にスポットを当て、映像表現を用いた“音のない音楽”を制作する。完成は来年3~5月の予定。制作費用など必要な資金は、不特定多数の個人からインターネットを通じて集めるクラウドファンディングで調達する考え。
健常者が聴覚障害者への意識を高め、受け入れるきっかけ作りにするのが狙い。手話プロジェクトを通じ学生は音楽など芸術を仕事にしていくための技術を学ぶとともに、芸術を現在社会が求める価値に変換し社会に還元するプロセスを習得する。倉持氏は東邦音大でフェロー、東京工芸大では特別講師を務めている。
一方、SNSを使った販促活動は、その第1弾としてバンダイナムコエンターテインメント(東京都港区)のゲーム「太鼓の達人」と全面的にコラボレーション。4月に立ち上げたサウンド制作プロダクション「INSPION」が手がけるプロジェクトの一つとして、新曲をつくって動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に配信。SNSで話題化することで盛り上げ、ゲームに誘導する仕組みだ。新しい販促活動として国内外企業から注目されており、多くのオファーを受けているという。
アイゼンは2期目に入った今年4月から、作曲・編曲やレコーディング、音楽配信など音の鳴るもの全てに対応するINSPIONと、結婚式で読まれる感謝の手紙を歌詞にして楽曲を制作するブライダル音楽「WEMU」を開始。主力事業で音楽を通じ感性・探究心・表現力を養う音楽教室「オトノアジト」と3本柱で事業を展開。今期は1億円の売り上げを目指す。
倉持氏が起業したのは、音楽家を取り巻く厳しい環境を改善するため。CDが売れなくなり音楽制作現場にお金が落ちず、減少する仕事を得るため価格競争に陥っている。こうした苦境から抜け出すには「新しい音楽価値を創出し、ふさわしい価格で売ることが必要」(倉持氏)と起業を決意。活動開始2期目に入り、共鳴する音楽家が集まるようになり、事業拡大につながっている。
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【会社概要】アイゼン
▽本社=東京都千代田区九段南4-7-24 トゥーラント88ビル202
▽設立=2016年4月1日
▽資本金=300万円
▽従業員=35人
▽事業内容=サウンド制作、次世代音楽教室、ウエディング・サウンド・プロデュース
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