海外インターン、受け入れ企業開拓 タイガーモブ・菊地恵理子社長
タイガーモブは、学生や若手社会人を対象に、アジアやアフリカ、中南米など世界27カ国の新興国への海外インターンシップを仲介している。言葉も文化も生活習慣も日本と異なる国で成長するきっかけをつかむため、大きな裁量を与えられるベンチャー・スタートアップ企業を主な派遣先としている。菊地恵理子社長は「バックパッカー営業」という独自の手法で、自ら現地に赴いて受け入れ企業を開拓している。
◆渡航前に研修
希望者はホームページ上から受け入れ先を探して応募するが、ほとんどは同社スタッフとの相談を経て応募先を決めている。「これまで何をやってきたか」「これから何をしたいか」といったことを30~60分かけて聞き出し、本人の適性に合った企業をマッチングする。
その後、現地とのスカイプを使った面談を経て合否が決まる。最大限に成果を上げられるよう、渡航前には目的を明確化するための事前研修を施す。派遣先は、万が一の場合でも意思疎通がしやすい日系企業がほとんどだ。
菊地社長自身、大学を1年間休学して中国・蘇州大学へ半年間留学した後、上海にある外資系の五つ星ホテルで半年間のインターンシップを体験した。親しくなれば身内のように接してくれる中国人と交流を深めることで、日本にいるだけでは分からない中国の姿を理解することができた。「多様性を受け入れ、がむしゃらに働くことで大きく成長できる」と海外インターンシップの効用を語る。
大学卒業後は人材会社に就職。2年目には自らの経験を生かすため、新規事業として海外インターンシップ事業の立ち上げに関わった。受け入れ先企業は自ら渡航して開拓した。バックパックを背負って現地入りし、フリーペーパーを入手して掲載企業にメールで面会の約束を取り付けたり、フェイスブックで呼びかけることもした。
いきなり現地に行っても「バックパッカー営業をしている」と言うと、興味を持たれて会ってくれた。
◆人材紹介も立ち上げ
海外インターンシップ事業の立ち上げから3年後の2016年4月、さらに事業を強化するために独立してタイガーモブを設立した。これまでに前の会社の分と合わせて900人以上を海外へ送り出している。
2週間~1年と期間に幅はあるが、帰国した学生は「顔つきが違う。一皮むけて大人になっている」と感じる。しかし新卒者の一括採用が一般的な日本では、渡航時期によって就職活動で不利になることがあり、海外インターンシップに二の足を踏ませる要因となっている。
そこで、今年中に人材紹介業を新たに立ち上げる考えだ。「企業はグローバル化への対応が必要になっている。そのため海外インターンシップ経験者の採用を働きかけていく」
来年以降は海外から日本企業への受け入れ、インドからベトナムといった外国から外国への仲介にも乗り出す。
◇
【プロフィル】菊地恵理子
きくち・えりこ 関西学院大総合政策卒。2012年ジョブウェブ入社、海外インターン事業を立ち上げ。16年4月タイガーモブを設立し、現職。28歳。三重県出身。
◇
【会社概要】タイガーモブ
▽本社=東京都渋谷区神宮前2-13-8
▽設立=2016年4月
▽資本金=100万円
▽従業員=2人
▽事業内容=海外インターンシップの仲介
関連記事