資産運用学べる異色RPGが反響 三菱UFJ信託が提供 第2弾は「仲間」と“リスク分散”

 
「信託クエスト~剣と魔法とお金の物語~」第2章の冒頭画面

 お堅いイメージの大手金融機関が手掛ける異色の投資教育ソフトが話題を呼んでいる。ウェブ上で本格的なロールプレイングゲーム(RPG)を無料で楽しみながら資産運用まで学べるとあって、反響の大きさからよもやの続編が10日にリリースされた。あの国民的RPGを彷彿とさせる世界観に、今度も“ハマる”プレーヤーが続出しそうだ。

 この資産運用ゲーム「信託クエスト~剣と魔法とお金の物語~」を提供しているのは三菱UFJ信託銀行。ゲームのイメージからはほど遠い大手メガバンクグループの信託銀行だ。

 一方で、タイトルからピンときた人もいるだろう。そう、爆発的ヒットを記録したあの名作RPG「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」を彷彿とさせる世界観がつくり込まれているのだ。

◆ドラクエさながらの世界観にハマる人が続出

 制作にあたったのは、家計簿アプリなどを開発しているスマートアイデア(本社・東京)で、三菱UFJフィナンシャル・グループの事業に参画した縁で実現した。

 とはいえ、「無料だし、金融機関が企画したものだからしょせんは…」と冷やかし半分でかかると、これがなかなかどうして侮れない。モンスターとの戦いあり、冒険あり、ロマンスあり、とまさにRPGの王道をいく展開で、気が付けば投資教育のソフトであることも忘れ、「完全制覇するまでハマってしまった」というユーザーも少なくないという。それもそのはず、シナリオはハドソンなどで活躍したゲームクリエイターの平川らいあん氏が担当している。

 一方で、登場人物の会話の文字がカタカタと映し出されるあたりは、まさに初期のドラクエさながら。かつてドラクエに熱狂した中年世代は随所でニヤリとさせられることだろう。実際、昨年9月に第1章「旅立ち編」をリリースしたところ好評を博したため、続編の第2章「仲間との出会い編」が今回提供された。

◆続編は個性的な「仲間」たちが活躍

 ストーリーは、あえてここでは詳述しないが、勇敢な主人公が王様からもらったお金を元手に、「魔王」を倒す旅に出て成長していく過程を描く。ただ、魔王を倒すためには装備や宿代に莫大なお金がかかる。「ならどうする?」といったことから、資産形成とお金の大切さを自然に学んでいく仕掛けだ。

 続編の第2章は、もちろん「仲間」がキーワード。個性的なキャラクターがたくさん登場し、仲間の選択でストーリーが多彩に変化する。たとえば、「戦いも投資信託もたくさんの力を集めて成り立つもの」「仲間がいれば冒険も投資もリスクを抑えられ、見返りも大きいことが多い」といったアドバイスを受け、「特徴のある仲間が補完し合う姿を通じて、資産形成においてもリスク分散が必要であることを自然に想起できる」(三菱UFJ信託)工夫をこらした。

 第2章からでも遊べるが、「ストーリーをより楽しんでいただくために第1章から遊んでいただくことをお勧めします」(同)。RPGらしくシナリオが豊富なのも特徴で、ルートは、グッドエンド3種類、バッドエンド15種類も用意され、何度遊んでも楽しめるよう工夫されている。またゲーム攻略のひとつのカギとして、マネー・金融クイズも盛り込まれている。

◆資産形成の大切さに気付くきっかけに

 もちろん、三菱UFJ信託としては、ネットユーザーにただ遊んでほしいだけで企画したわけではなく、このゲームをきっかけに投資と資産形成の意義を知ってほしいとの狙いを込めている。

 信託銀行の顧客はシニア層が多いなか、30~40代の男性をターゲットにしたのも、ファミコン世代でRPGにもなじみが深いことに目をつけたもので、新たな顧客層を囲い込みたい考えだ。

 また、金融界では 金融とITを融合した「フィンテック」が広がっている。店頭での従来の投資教育や販売促進では、顧客予備軍との接点に限界があり、大手金融機関もITやインターネットの活用に力を入れ始めている。どこもまだ試行錯誤している段階だが、三菱UFJ信託のユニークな試みはそうした新たな取り組みとして注目されそうだ。

 「信託クエスト~剣と魔法とお金の物語~」は、三菱UFJ信託の公式サイト内の「お金の、育て方」で遊べる。(SankeiBiz 柿内公輔)