マネックスがコインチェック買収発表 仮想通貨事業に本格参入 勝屋氏が経営主導
インターネット証券大手マネックスグループは6日、巨額の仮想通貨流出を起こした交換業者大手コインチェック(東京)を買収すると発表した。コインチェックを買収して、仮想通貨事業に本格的に参入する。
6日午後4時から、両社が東京都内で記者会見を開く。マネックスが36億円でコインチェックの全株式を取得し、完全子会社化する。
マネックスは勝屋敏彦最高執行責任者(COO)をコインチェックの代表取締役社長に派遣し、経営を主導する。
コインチェックの経営を担ってきた和田晃一良社長と大塚雄介取締役COOは巨額流出の責任を取り、マネックスによる出資完了後に退任する。
勝屋氏は旧三菱銀行(現三菱UFJ銀行)出身で、2006年にマネックスに入社。15年11月から約2年にわたり傘下のマネックス証券の社長を務めた後、昨年10月にマネックスグループのCOOに就任。金融ビジネスに精通しており、経験を生かしてコインチェックの再建を急ぐ。
マネックスは成長戦略として仮想通貨の基盤技術となるブロックチェーン(分散型台帳)の活用などを掲げている。コインチェック買収で、同社の顧客基盤やシステム、運営ノウハウなどを取り込む。
金融庁は、マネックスによる買収後のコインチェックの経営体制や経営計画などを慎重に見極め、仮想通貨交換業者としての登録の可否を判断する。
コインチェックは、マネックス傘下に入ることで顧客保護やリスク管理を強化し、信用回復を目指す。
コインチェックをめぐっては1月下旬、不正アクセスにより顧客から預かっていた約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出。金融庁から2度にわたって業務改善命令を受け、経営体制の抜本的な見直しを求められていた。
■コインチェックをめぐる動き
1月26日 コインチェックが不正アクセスを受け、約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出
29日 金融庁がコインチェックに1度目の業務改善命令
31日 コインチェックがシステムの通信記録を警視庁に提供。捜査が本格化
2月 2日 金融庁がコインチェックに立ち入り検査
13日 コインチェックが再発防止策を報告。日本円の出金を再開
3月 8日 金融庁が2度目の業務改善命令
12日 コインチェックがNEMを保有していた顧客約26万人に約466億円を補償開始
4月 3日 マネックスグループによる買収案が判明
6日 マネックスグループが買収発表へ
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