訪日客に「OMIYAGE」売り込み ベティスミス、東京でジーンズ作り体験

 
ジーンズ作りを体験できる「恵比寿工房」をオープンしたベティスミスの大島康弘社長=東京都渋谷区

 国産ジーンズ発祥の地として知られる児島(岡山県倉敷市)。この地で1962年に創業した日本初のレディースジーンズメーカー、ベティスミスが東京・恵比寿の東京ショールームを改装。7月からジーンズ作りを体験できる工房の機能を兼ね備えた拠点として再スタート、倉敷児島ジーンズを「OMIYAGE(おみやげ) JEANS」とブランド化して販売に注力。中でも訪日外国人観光客(インバウンド)に、自分が作ったオリジナルジーンズを「ニッポンのOMIYAGE」として売り込む。

 「売り上げに占める現在の直販比率は2割だが、東京でジーンズ作りを体験できるようにしたことで東京五輪・パラリンピックが開催される2020年には5割まで高めたい」

 専用のミシンとボタン打ち機を導入した「恵比寿工房」で、大島康弘社長は意気込みを見せた。10年に地元・児島に開設した体験工場が評判を呼んでいるからだ。

 同社が地元で運営する博物館「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」。開館は03年で、米国で誕生したジーンズの歴史のほか、初期のヴィンテージジーンズなどを見学できる世界で唯一の施設として年間5万人が訪れる人気の産業観光スポットだ。

 その中で注目を集めるのが、おみやげジーンズの手作り体験。自分にフィットするジーンズを探し出したあと、好みのボタン、リベット、革パッチを選び、専用の機械で自ら打ち付ける。1時間もあれば「自分だけのジーンズ」が完成。今年のゴールデンウイークには1日100人近くが体験、「倉敷児島のおみやげ」を持ち帰った。

 ただ体験者は地元・岡山県のほか関西からの観光客が多く、「東京でもジーンズ作り体験ができないか」との声を受け東京ショールームを改装。関東以北のジーンズファンのほか、インバウンド需要も取り込むことで倉敷児島のおみやげをニッポンのおみやげとして提案する。

 卸売り中心の営業を直販に切り替えていく一環だが、02年から残り生地や端切れを使ったリサイクル商品「エコベティ」を製造・販売。03年には「オーダージーンズ」を始めた。

 大島社長は「自分で売るパターンを増やしていき、2~3年後には卸売りと直販の比率を半々とし5年後には逆転したい」と意欲的だ。その鍵を握るのが恵比寿工房で、「倉敷児島ジーンズをおみやげに」と訪日客などに訴えかけていく。(松岡健夫)