乗るログ

強烈な個性を貫きオンリーワンの存在に ミニでしか味わえない世界がある

SankeiBiz編集部

 今回試乗したのはBMWの小型車ブランド「ミニ」の3ドア・クーパーモデルだ。昨年のマイナーチェンジで採用された7速ダブル・クラッチ・トランスミッション(DCT)搭載車に乗り込み、代名詞であるキビキビとした「ゴーカート・フィーリング」を味わってきた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

ポップなソラリス・オレンジ・メタリック色に噴かれたミニ3ドア
目につくもの全てが丸いミニのインテリア
ミニ3ドア
センタークラスターに並ぶトグルスイッチがお洒落
男性が座ってもかなり快適な後部座席
地面に映し出されたミニのロゴ。一つひとつの仕掛けや演出にワクワクする
デイライトとウインカーを一体化したLEDリング
ユニオン・ジャックのLEDライトが浮かび上がる
ミニ3ドアのインテリア
まっすぐ平らなルーフは後席にも余裕のヘッドクリアランスをもたらす
ミニ3ドア
辰巳第1PAから望む東雲の高層マンション群
海ほたるとミニ3ドア
ミニ3ドア
ミニ3ドア
ミニ3ドア
丸形のモニターに表示されたナビ。地図の両端も切らずに丸いカーブを描く
7速DCTのセレクター・レバー
赤く光るエンジンのスタートボタン。これがあるだけでミニが欲しくなる!?
ミニのステアリングホイール
大きめのスマホは充電器に入らない(写真はアイフォーンのXSMax)
ミニ3ドア
ミニ3ドア
ミニ3ドア
ミニ3ドア
ミニ3ドア
1.5リッター3気筒ガソリンエンジンを搭載
ボンネットに空いたヘッドランプのマル穴がユニーク
ミニ3ドア
2015年のデトロイトショーに出展されたミニの「スーパーレッジェーラ・ヴィジョン」

 鮮やかなオレンジ・メタリックに噴かれたコンパクトボディと、ボンネット上をビシッと走る2本の太いブラックライン。つぶらなヘッドランプがこちらをジーっと見ている。仕事で様々なタイプのクルマに乗ってきたが、ドアを開ける前から心が躍るようなことは、特別にラグジュアリーかハイパフォーマンスなモデル(例えば過去に試乗したロールス・ロイスレクサスRCFのレーシングカー)を除けばそう滅多にない。ミニはそういう気分にさせてくれるクルマだ。それほど、地下駐車場でBMWらと一緒に並ぶミニはとてつもなく強い存在感を放っていたのだ。

 自然と笑顔になる魅力

 シートに収まり、トグルスイッチ型のお洒落なスタートボタンを押して発進すると、多くの人がその走りに「あれっ?」と驚かされることだろう。アクセルペダルを踏んだ時やステアリングを切った時、足回りの味付けなど、「ブロロロッ」と走り出した瞬間から想像以上の「硬さ」や「重さ」といった感覚が手足に伝わってくる。シートだって相当にコシが強い。全体的にハードでスポーティーな設計なのだ。

 特にハンドルにかかる反力の強さは、カローラ・スポーツとリーフNISMOを運転したすぐ後だったこともあり、余計に大きな驚きだった。しかしそのような感覚は10分も走れば自然と馴染んでしまうから不思議だ。ひとたびクルマの性格をつかんで “ぎこちなさ”が消えると、変な自信が生まれてついつい調子に乗ってしまう。「操ってやるぜ!」と鼻息が荒くなり、一気にヤル気スイッチが入る。そして、自然と笑顔になってしまうのだ。

 1.5リッターの3気筒ガソリンエンジンは最高出力100kW/136PSを発生する。走り出しは力強く、街中を俊敏にブイブイと駆け回る。硬めに設計されたサスペンション、短いオーバーハング、ワイド・トレッドも相まって、非常にシャープな回頭性を見せつける。DCTによる変速は滑らかで、市街地や屈曲路ではまさにゴーカートのような軽快なフットワークを楽しめる。乗り心地の面ではノイズやバンプの入力が絶えないが、これも“ゴーカート・ライク”なミニの立派な個性だ。

 走りの面で一つ気になったのは、時速70キロから100キロ付近までグッと加速するときに、ややスムースさを欠いたことだ。パワー不足なのか、最適なギアが選択されていなかったのかは分からないが、中速度域から高速度域にかけてもう少し気持ちのいい加速感があるとさらにベターだと感じた。

 ブレない“英国らしさ”

 ミニといえば、1959年にイギリスで登場したオリジナルの“クラシック・ミニ”から受け継がれる個性的なデザインも大きな魅力だ。サイズ的に大きくなったとはいえ、どの時代のミニも、誰がどう見てもミニだと分かる筋の通ったアイデンティティーがある。例えば大きな丸型ヘッドランプや垂直に立てたウインドスクリーン、上から蓋をしたようなルーフ形状がそうだ。そこからは決して流行を追うことなく、ミニ自身が築いてきた独自の個性を貫き通しているのが分かる。2001年からBMWグループとなり、今ではデザインもドイツで行われているそうだが、ブリティッシュ・レーシング・グリーンのカラーリングや、ミラーキャップやルーフトップに配したユニオン・ジャックの意匠からは、ルーツに対する敬意を強く感じる。ミニはそれほどまでに、強烈なブランド力を築き上げたということだ。

 今回のマイナーチェンジでは、デイライトとウインカーを一体化したLEDリングをヘッドランプに組み込みドレスアップしている。新たに採用したユニオン・ジャック型のLEDリヤランプもたくさんの視線を惹きつける。2015年のデトロイト・モーターショーでユニオン・ジャックのリヤランプを艶やかに光らせる出展車「ミニ・スーパーレッジェーラ・ビジョン」を見たときに、その圧倒的な美しさに惚れ惚れとしたのを思い出した(※30枚目の写真を参照)。

 小型プレミアムブランドだけあって内装の質感は高い。円をモチーフにしたパーツ類からはデザインへのこだわりを感じるし、ミニでしか味わえない唯一無二の空間を見事なまでに演出している。しかも、3ドアモデルでも後部座席が広々としている。写真を見ていただけると分かりやすいのだが、ルーフがリヤゲートにかけてビーンと水平に伸びているため、成人男性でも余裕を感じるほどのヘッドクリアランスを確保しているのだ。

 自分だけの特別な一台

 ミニの魅力はカスタマイズ性の高さにもある。様々な素材やカラーのアクセサリーを用意しており、自分好みにコーディネートする楽しさがあるのだ。自分だけの特別な一台を駆って一緒に思い出を作れば、愛着もどんどんと湧いてくることだろう。

 ミニが築き上げた独特の個性や軽快な走りはもちろんのこと、自分の手でドレスアップさせる面白みもあるなど「ミニでしか味わえない世界」があるからこそ、いつの時代も一目置かれる存在なのだろう。試乗中は自然と笑顔になる時間が多かった。愛車を撮影するかのように必要以上に写真を撮ってしまった。このクルマが欲しいとも思ってしまった。「ミニはこれから先もずっと、オンリーワンの存在であり続けるんだろうな…」。そう感じさせるクルマだった。

《ヒトコト言わせて!》

 BMWグループ広報部・後藤千文さん「新型ミニはキビキビした走りももちろんですが、そのデザインは乗る人だけでなく、見る人の心もキュンとさせる魅力があります。特に、新型モデルで登場したテールランプのユニオン・ジャックのデザインは、ディテールにまでこだわり、自らの個性を主張しつづけるミニらしさが凝縮されていて、ミニ以外には真似できないデザインだと思います。是非、ミニのお店で実物をみて、乗っていただき、ミニのドライビング特有のワクワク感を感じてほしいです」

 【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。▼アーカイブはこちらから

主なスペック(試乗車)

全長×全幅×全高:3835×1725×1430ミリ

ホイールベース:2495ミリ

車両重量:1240キロ

エンジン:直列3気筒DOHCツインターボ

総排気量:1.5リットル

最高出力:100kW(136ps)/4500rpm

最大トルク:220Nm/1480-4100rpm

トランスミッション:7速DCT

駆動方式:前輪駆動

定員:4名

燃料消費率(JC08モード):17.7キロ/リットル

ステアリング:右

車両本体価格:312万円