マネーロンダリング審査、Q&A形式で知る 

 

 関連法整備や対策有効性など評価

 マネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の国内審査について、Q&A形式でまとめた。

 Q 審査はどのように行うか

 A 1989年に設立されたFATF(本部パリ)には現在、欧米や日本、中国など36カ国・地域が参加しており、FATFが求める対策基準の順守状況などを順番に相互審査している。法令の整備状況などの書面審査の後、省庁幹部や金融機関の経営陣らからの聞き取りを含む実地審査が実施される。

 Q 審査される項目は

 A 資金洗浄対策の関連法整備など40項目と、企業ごとの対策の有効性など11項目をA~D(合格水準はA~B)の4段階で評価する。メガバンクや地方銀行だけでなく、郵便局や仮想通貨交換業者なども対象となる。どの企業が選ばれるかは直前までわからない。

 Q 合格とされる基準は

 A 法整備など40項目中で半分以上、有効性など11項目で一定数以上A~Bの評価を獲得すれば、実質的な合格とされる通常フォローアップ国に認定される。合格基準を下回った国は、重点フォローアップ国や監視対象国とされ、2年に1回程度、FATFへの対策状況の報告が求められる。罰則などはない。

 FATFは9月現在、25カ国で第4次審査を終えたが、そのうち実質的合格となったのは英国やイタリアなど5カ国のみ。審査は厳しく、日本は2008年の第3次審査で49項目中25項目で要改善という評価を受け、14年には必要な法整備が遅れていると異例の声明が出されている。