今年4月に大手生命保険で初めて相互会社から株式会社に転換した第一生命保険の株主総会が28日午前10時、千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場で始まった。株式会社となって初めての株主総会では、国内市場が縮小する中での成長戦略など今後の事業計画が注目を集めた。137万人という国内最多の株主数に対応するため1万5000人規模の会場スペースを用意した。
《冒頭、議長を務める渡辺光一郎社長があいさつ。2010年3月期決算などの経営状況が報告された》
渡辺社長「株式会社化の決断の背景は、少子高齢化やニーズの変化などで死亡保障市場は縮小傾向で今後も続くことが予想される。株式会社化したのは、より柔軟な経営戦略を取るため。お客さまに信頼され、選べる会社になり企業価値向上を図る。海外事業は当初予想を上回るペースで成長している。中国市場については早期の進出のため準備を進めている」
《議案説明の後、質疑応答が始まった。1人目の株主が質問》
株主「契約者割り当てで株主になった者です。株主になってみると、配当金でしっかり還元していただきたいと考えるようになった。海外事業は、進出したベトナムなど以外にも進出するのか。また、安易に増資を行ってほしくないが、海外には大きな資金が必要になる。せっかく株式会社になって上場したわけだから、増資の考えを聞きたい」
麻崎副社長「アジアを中心とした生保事業を進めている。中国を含めた取り組みを図っていきたいが、タイミングは現段階では具体的にお示しする段階ではない。鋭意取り組んでいる。中国においては50%までの出資しかできず、パートナーを探さなければいけない。若干、時間がかかっている。できるだけ速やかに進出できるよう取り組んでいきたい。利益は成長分野で将来5、10年考えたときに30%の貢献を考えている」