【必読!中国ビジネス】第20回 「日本駐在員の労務問題」(2) (2/4ページ)

2011.9.5 05:00

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 税務局からの指導にはきちんと従うのが基本姿勢の現地スタッフから、「納税しないとダメみたいですよ」との報告を日本人駐在員は受けました。

 困ったのは現地の日本人駐在員です。「そんな聞いたこともない話を急にされても理不尽な気がする」とあわてて上海や日本本社などに確認してみました。すると、「他地域ではそういう報告は聞いていない」との回答です。

 しかし、現地スタッフからは「税務局から期限までに納付するようにといわれています。どうしましょうか」と催促されます。適切な対処法がはっきりしないなか、日系現地法人の一部には納付に応じる動きも出てきました。

 ◆上に政策、下に対策

 その後、日系企業などが共同で当局に陳情を行い、納付に応じる日系企業が少なかったことから、出向者に対するPE課税の動きは徐々に収束していきました。

 中国では「上に政策あり、下に対策あり」とよく言われます。この事例のように法令がでても実務的には実施されない場合があり、日本人駐在員の悩みの種となっています。

 中国ではいまもなお次々と新しい規定が交付されていますが、日系企業が実務的にどう対応するかについては、当地での規定の実務的位置づけや、日系企業間の情報交換により検討していくことが重要です。

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