記念写真に納まる日本航空の(左から)大西賢社長、次期社長の植木義晴専務執行役員、稲盛和夫会長=17日午後、東京都品川区【拡大】
さらに京セラで実践してきた「アメーバ経営」と呼ばれる部門別管理制度を導入。幹部だけでなく、パイロットや客室乗務員らにも採算意識を植え付け、就任当初、「親方日の丸」と嘆いた経営体質の改革に取り組んできた。
東日本大震災の影響も、航空機の小型化などで座席供給数を3割程度減らす一方、被災地への臨時便を飛ばすなど、「これまでになかった臨機応変」(関係者)で乗り切った。
この結果、23年9月中間決算の営業利益は過去最高レベルの1061億円を達成し、ライバルの全日本空輸に約2倍の差を付けた。
ただ、先行きへの課題は山積している。
日本への就航が相次ぐLCCとの競争激化は必至だ。日航も自ら合弁でLCCを立ち上げたが、「本体との顧客の食い合いに加え、値下げ合戦に巻き込まれる」(アナリスト)との懸念は強い。
これまでも再建を阻んできた外部環境も厳しさを増している。欧州危機の影響で世界経済の減速が強まれば、ドル箱のビジネス客の需要減退を招く。イランの核開発問題による中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、燃料費増大が経営を圧迫しかねない。
植木氏は「ようやく薄日が垣間見られる状況」と、気を引き締めた。ただ、パイロットを引退した2年前から執行役員として経営に携わり始めたばかりで、その手腕は未知数だ。