ソニーの平井一夫・副社長(左)と、ハワード・ストリンガー会長兼CEO【拡大】
だが、業界の主役を韓国勢に奪われた今、こうした取り組みも遅きに失した感は否めない。平井氏は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビなど次世代テレビの開発に努めることも明言したが、この分野もすでに韓国勢が発売を決めており、大型化では出遅れている。
黒字確保が至上命題
一方、新経営体制のもとで、平井氏が描く巻き返しの成長戦略はコア(中核)事業の強化。「イメージング(画像処理)とゲームでナンバーワンになる」とアピールするが、特に期待するのが前者だ。
ソニーは画像処理用半導体(イメージセンサー)で世界有数のメーカー。「これをメディカル(医療)に応用することで中核事業に育てられる」と説明する。その際に欠かせないのが医療分野での販路拡大や医療機器メーカーと連携する戦略だ。オリンパスに行った資本・業務提携の提案もそのためだ。
平井氏にとっては、まずは来期に5期ぶりの最終黒字を確保することが至上命題となる。会見の直前に行われた決算説明会で加藤優最高財務責任者(CFO)は「堅調な金融、(音楽、映画などの)娯楽事業があるため、営業利益で2000億円は出さなくてはならない」と語ったが、平井氏も「当面は加藤CFOの目線と同じ」とこの目標を追認した。
だが、テレビでのサムスンの存在同様、医療やネットワークなど成長期待分野には強力なライバルがひしめき、ソニー再生へ向けて乗り越えるべき課題はあまりに多い。(田端素央)