医療機関や交通網を大混乱に陥れた東京電力による「計画停電」実施から、14日で1年となる。節電要請が続く関西電力を含め、今冬の電力不足は何とか乗り切れそう。だが、電気事業連合会が13日発表した2月の全国発受電電力量は、東日本大震災以降初めて前年を上回り、節電効果に“黄信号”がともった。原発再稼働の見通しがつかない中、電力需給の綱渡りは「気温頼み」(大手電力幹部)となりつつある。
「節電協力がなければ需給は逼迫(ひっぱく)していた」。2月の管内発受電電力量実績を、関電幹部はこう分析した。前年同月比4.7%増の138億7000万キロワット時(速報)と、11カ月ぶりにプラスに転じたためだ。
うるう年による日数調整をしても1.1%の増。2月の平均気温が昨年を2.0度下回り暖房需要が増えたのが主因だが、3月23日まで企業や家庭に昨冬比10%以上の節電を要請中で、逆に増えた事実は重い。
電気事業連合会が13日に発表した、国内電力10社合計の2月の発受電電力量も、同4.1%増の845億9000万キロワット時(同)と、12カ月ぶりに前年を上回った。
昨年3月は、震災の影響に加え、福島第1原発事故で電力不足となった東電による計画停電が、電力需要を押し下げた。3月14~28日まで、グループごとに延べ6870万件を対象に実施。4月以降は「原則不実施」としたが、需給逼迫に備えその枠組みは残る。
年内の原発再稼働が見込めない東電は今夏に向け、緊急ガス火力発電の設置などで供給力を5700万キロワット超に積み上げる。「節電による需要抑制などで、何とか乗り切れる」(幹部)というが、最大電力需要が約6000万キロワットを記録した一昨年並みの猛暑となれば、計画停電が再発動される可能性もある。