大学生の就活一層厳しく 企業の外国人留学生採用が活発化 (2/2ページ)

2012.3.24 20:21

 人気テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社ユー・エス・ジェイ(大阪市此花区)は「韓国や中国などからの来場者を想定した外国人採用」と説明。ロイヤルホテルは「採用した中国人留学生は現地の代理店営業だけでなく、社内の語学研修でも活躍中」(採用担当者)という。

 学生側も日本企業への就職に関心を寄せており、青山学院大に通う中国の男子学生(25)は「新興国にネットワークを普及する仕事がしたい」と日本の通信業界などを対象に就活中。文化服装学院で学ぶ台湾の女子学生(26)は「日本のファッションを学び、クリエーターとして作品を出したい」と夢を語る。

 ただ、外国人留学生向けフリーペーパー「J-Life」の浅田光博編集長は「キャリアを5年単位で描く外国人が日本で長く働くとは考えづらい」と指摘。キャリア志向の強い外国人は、日本での経験をひとつのステップとする考えもあり、離職を防ぐことが今後の課題となる。

 外国人留学生は大企業や働く場にこだわらず、「自分のしたい仕事」を基準に職を探す傾向が強い。これに対し、日本の学生は海外どころか地元からも出たがらない“内向き”志向が急増しているといわれる。

 「留学生の採用で色々な価値観を取り込み、組織を活性化したい」(大手百貨店)。こんな企業が増える中、内向き・大企業志向の日本人学生の就活は今後さらに厳しさを増しそうだ。


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