日立が開発したレアアース使わない産業用モーター=11日、東京都千代田区【拡大】
日立製作所は11日、レアアース(希土類)を使わない産業用モーターを開発したと発表した。
モーターの心臓部となる鉄心の素材に効率の高い別の永久磁石を使うことで希土類と同等の性能を実現。工場のポンプやトンネルのファンに利用可能な出力11キロワットの中型容量モーターへの適用を可能とした。レアアースは、世界生産量の9割超を占める中国が輸出規制を実施しており、代替需要が見込めるとみて2014年度の製品化を目指す。
新型モーターは子会社の日立産機システムと共同開発した。鉄心には、急速冷却して凝固させてつくるアモルファス金属を使い、コストを抑えながら性能を高めた。日立によれば、国際電気標準会議(IEC)が定める効率ガイドラインの最高水準に当たる約93%のエネルギー効率を達成したという。
レアアースをめぐっては、10年7月に中国が資源保護のため輸出枠を減らしたことで価格が急騰。種類によっては、現在も昨年1月時点に比べ6~7倍高い水準にある。