NTTの海外売上高【拡大】
NTTグループの経営陣が6月、5年ぶりに刷新される。グループを率いる持ち株会社の新トップに就くのは、豪腕で知られる鵜浦博夫NTT副社長。周りを固めるドコモや東西など主要事業会社の社長には、技術系と業務系のたすき掛けや持ち株会社からの「落下傘」といった慣例を破って新世代が抜擢(ばってき)される。その布陣はグループ統制機能が最大限発揮される、まさに“鵜浦シフト”といえる。新経営体制からはグローバル事業加速の狙いの一方、実力社長によるNTTグループ再構築の野望も垣間みえる。
制度・政策に精通
NTTの春闘交渉が妥結した3月15日、労働組合幹部は鵜浦副社長から差し出された手に驚いた。
春闘交渉の妥結時には、労組の委員長が経営側に握手を求めるのが慣わし。だが今年、ノーサイドの儀礼の口火を切ったのは鵜浦副社長だった。「毎年執拗(しつよう)に質問されるのに、今年はほとんどの案件が素通りで、表情までにこやかだった」と労組関係者は振り返り、経営側の変化を感じたという。その時すでに次期社長としてグループ経営に頭を巡らせていたのか。
鵜浦副社長は、1999年のNTT分社の3年後に持ち株会社の取締役に就任した。2008年には副社長として南アフリカのシステム会社ディメンション・データの買収を陣頭指揮。グループの先陣を切って海外への事業展開を進めてきたNTTコミュニケーションズ(コム)やNTTデータの2社を差し置いて、持ち株会社の直系子会社としてディメンションを加える力業を進め、グローバル事業強化の道筋を作った。