FX・メガバンク、円・元の直接交換取引で市場拡大に期待 (1/2ページ)

2012.5.31 05:00

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 東京と上海の両市場で6月1日から円と人民元の直接交換取引が始まるのを見越し、金融業界が関連市場の拡大に期待を寄せている。外国為替証拠金取引(FX)業者がサービス参入を計画するほか、三菱東京UFJ銀行など3メガバンクはこれまで提供してきた元建て資金サービスの利用拡大につながるとしている。

 FX取引業のセントラル短資FXは、7月2日から円・元取引の提供を始める。注文を受けた元は香港市場から調達するが、「直接取引で流動性が高まれば、東京市場で直接調達する可能性もある」としている。

 サイバーエージェントFXも円・元取引のメリットを見極めた上で、サービス導入を検討する考えだ。

 FXは、担保(証拠金)の何倍の取引ができるかを示す証拠金倍率(レバレッジ)の規制強化に加え、円・ドル相場の変動幅が少なく投資の妙味が薄れていることから、取引量の減少が続いている。業界団体の金融先物取引業協会に加盟する業者数は2008年の120社近くから70社程度に減っている。

 直接取引の開始をきっかけに個人投資家の円・元取引への関心が高まれば、「FXの取引量回復に向けての起爆剤になる」(大手FX取引業者)との期待もふくらんでいる。