欧米の大学などが毎年2回公表しているスーパーコンピューターの性能ランキング「トップ500」が18日発表され、昨年6月から首位だった日本の「京」が2位に陥落した。1位は米IBMが米ローレンス・リバモア国立研究所向けに開発した「セコイア」だった。
セコイアの計算速度は毎秒1京6320兆回(1京は1兆の1万倍)で、京(毎秒1京510兆回)を5割余り上回った。3、4位も米IBM製で、5位は2010年11月のランキングで首位だった中国国防科学技術大の「天河1号A」。
富士通が開発した京は、864台の計算機で構成され、世界で初めて毎秒1京回超の計算速度を達成した。神戸市に設置し理化学研究所が運用しており、9月末から創薬や素材開発などの分野で本格利用が始まる。前回ランキング以降は改良を加えずに最終調整を進めていた。
スパコンの計算速度は11年間で1000倍に向上するとされ、18年には毎秒100京回に達する見込み。世界一の座に就けば研究機関などからのスパコン受注拡大にも貢献するが、開発費の高騰が課題となっている。
京の開発費は1120億円とかさみ、NECや日立製作所が共同開発から撤退、国の「事業仕分け」の対象にもなった。次世代スパコンで日本が優位に立つためには、開発プロジェクトをまとめる国の戦略がカギとなる。