「新経済連盟」楽天・三木谷氏の野望 経団連に失望、勢力拡大に強い意欲 (2/3ページ)

2012.6.27 05:00

新経済連盟の主な会員企業

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 ■「経団連でやれなかったことをやりたい」

 三木谷氏は「新経連はインターネットのイノベーション(技術革新)を軸に、政策を提言する経済団体だ。経団連に対抗するつもりは全くない」と話す。

 もっとも、経団連に対する三木谷氏の不満は小さくない。

 楽天は2004年11月に日本経団連(現経団連)に加入した。当時の会長はトヨタ自動車の奥田碩(ひろし)会長で、三木谷氏には一橋大の先輩にあたる。奥田氏も後輩を高く評価し、楽天の経団連入りは自然の流れだった。

 だが06年に奥田氏が会長を退くと、三木谷氏は「活動内容が思っていたものと違う」と漏らすようになる。関係者によると、三木谷氏は「新しい経済団体をつくりたい」と奥田氏に相談。「気の済むようにやればいい」とエールを受けたという。

 それが昨年5月、東京電力福島第1原発事故への対応をめぐり、三木谷氏が「電力業界を保護しようとする態度がゆるせない」と短文投稿サイトのツイッターで経団連を批判する伏線となり、楽天は6月に脱退した。経団連の米倉弘昌会長は「いちいちコメントはしない」と新経連の動きを静観する構えだ。

 設立会見で三木谷氏は「経団連ではやれなかったことをやってみたい」と話し、「国民の政治参加の促進や行政プロセスの効率化、地方の活性化」を具体例に挙げた。特に「選挙中にホームページを公開できないのは先進国で日本だけ、若い人の政治への参加意識を低下させる」と指摘し、選挙活動へのネット活用の実現に意欲をみせる。