NTT鵜浦新社長「北米挑戦が次につながる」 積極的に他社との連携

2012.6.28 05:00

NTTの鵜浦博夫社長

NTTの鵜浦博夫社長【拡大】

 22日付で就任したNTTの鵜浦博夫社長は27日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、海外展開について「変化の速度が一番速く、(攻略が)難しそうな北米に挑戦することが次につながる」と話し、北米市場の開拓を加速する考えを強調した。NTTは今夏にもグループのNTTコミュニケーションズやディメンション・データなどが北米で展開するサービスのブランド名を統一して知名度を高める方針を表明している。これを足がかりに、海外でのクラウド事業を拡大する方針だ。

 鵜浦社長はさらに、「M&A(企業の合併・買収)もあれば提携もある。北米市場では協力していきたい企業がいくつかある」と、積極的に他社との連携を図る考えも示した。

 「スピード感を持ってやっていこうとしたら、判断が難しいのは自前でどこまで(サービスを)持つかだ」といい、「他社を含めていろんなサービスを組み合わせ、ユーザーにより安全でよりコストの安いものをどう提供するかが重要」と力を込めた。

 一方、NTT東西地域会社が展開する光サービスについては「回線を引けばユーザーが使ってくれるわけではない」と、エリア拡大に一定のめどがついたとの考えを示した。実際、NTT東西の光サービスのエリアカバー率は2012年3月末時点でそれぞれ97%、86%で、13年3月末は98%、87%とほぼ横ばいを見込んでいる。

 その上で、「(KDDIなど他事業者との競争激化などで)新規需要が減っている」中で、「光サービスを生かしたコンテンツを提供する会社と足並みをそろえる時期にきている」などと話し、今後は無線との連携も含めて光回線をどう活用するかが重要だとの認識を示した。