外資傘下でエルピーダ経営再建 マイクロンが2000億円で買収

2012.6.30 05:00

会社更生法の適用を申請した際の会見で頭を下げるエルピーダメモリの坂本幸雄社長(左)(栗橋隆悦撮影)

会社更生法の適用を申請した際の会見で頭を下げるエルピーダメモリの坂本幸雄社長(左)(栗橋隆悦撮影)【拡大】

 半導体大手エルピーダメモリの会社更生手続きをめぐり、スポンサーに内定していた米半導体大手マイクロン・テクノロジーが同社を買収することで合意したことが29日、分かった。買収額は約2000億円で、エルピーダ債務者への弁済率は3割程度になる見込み。半導体メモリー「DRAM」の国内唯一のメーカー、エルピーダは、外資傘下で経営再建を目指す。

 エルピーダは2月に会社更生法適用を申請。スポンサー企業は5月、2回の入札を経てマイクロンに決まり、金融機関などと債権放棄額の交渉を進めていた。その結果、買収額のうち約1400億円を負債返済に回す方向となった。マイクロンはこのほか、生産体制の強化に向け約1000億円を投資する計画。エルピーダは更生計画案を8月21日までに裁判所に提出する。

 マイクロンは昨年のDRAM世界シェア約11%で業界4位だが、約13%を占める3位のエルピーダ買収後は、韓国SKハイニックス(約23%)を抜き2位に浮上する。

 マイクロンはDRAM事業をエルピーダと統合し効率化する一方、主力製品の不揮発性メモリー「NAND型フラッシュメモリー」で競争力強化を図る。