百貨店の大丸と松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングは5日、発行済み株式の33.2%を保有する商業ビル大手パルコの株式を追加取得するため、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。発行済み株式の65%(議決権ベース)を上限にパルコ株を取得し、子会社化することで事業展開の連携を深める。パルコも同日、TOBへの賛同を表明した。
買い付け価格は1株1100円(5日終値は947円)で、期間は9日から8月20日まで。取得額は最大約420億円の予定。3月に森トラストから発行済み株式33.2%を取得した際にかかった約300億円を合わせると、J.フロントの総投資額は約720億円となる。パルコは東証1部上場を維持する。
東京都内で会見したJ.フロントの奥田務会長は「得意とする顧客は(J.フロントが)中高年層、パルコは若年層と異なるが、ともに都市型の商業施設グループであり、パルコに学べる点は多い」と述べ、一層の相乗効果を期待。パルコの牧山浩三社長は「独立性や自主性を維持しながら資本が安定する。両社の強みを掛け算することで価値のある業態になればいい」と、子会社のメリットを強調した。
J.フロントとパルコは6月ごろから具体的な提携内容の検討を開始。現時点では、建て直しを予定している松坂屋上野店(東京都台東区)の一部にパルコが入居する計画を持つ。